担任の先生より

1017)特別支援学校 トイレで物を投げる

排せつ動作が安全に、清潔に、他者に迷惑をかけないで行えるか確かめ、必要に応じて指導や支援を行うために教員がトイレに一緒に入ります。

先日、他学年で教員がトイレまで連れてきて、入るなり出て行ってしまったので、後でクレームを入れました。

ズボンをおろしてと言えばできる、ここでおしっこをしなさいと伝えれば出る、一連の動作ができるから「できる」と判断して一人にしたんだ、とのことでした。

いやいや、1人でやるということは、これから何をするか、手順はどうか、やり方はどうか、イレギュラーな事態にどう対応できるか、周囲の環境の変化を把握しつつ脱線しないでできるかなどを考慮したうえで判断することです。

1人取り残された子どもは、トイレの中を歩き回っていました。他の子どもの指導に入っている先生も、「この子はどうなってるの?」「いや、フォローしてあげなきゃいけない?」と動揺していました。

【トイレで物を投げる】
そんな話はさておいて、トイレに入って見守っていると、脱いだ靴や副を投げつけてきたり、個室エリアの外に放り投げたりする子がいました。そうして、時々衣服の着脱や、下着の上げ下ろしがあるのに動きを止めてしまうことがよくありました。

いろいろ試して、経過を見て分かったことですが

・低緊張で、手に力を入れながらダイナミックな動きを必要とする靴や衣服の着脱に苦手意識をもっており、やりたくない。

・誉められたいし、文句を言われながらでも介助して欲しい。

・怒られることも、人とのかかわりになり、強く自分とかかわってくる大人を求めている。

・手順に自由度があり、どこから手をつけていいか分からない。

・排せつの手順は分かっているし、なんとかできるのですが、お尻を拭き、清潔さに配慮しながら濡れた下着を袋に入れることが難しい。

これらが理由だと思いました。

【対応】
ダメなことはダメと伝える、説明しても意味が分かってもらいにくいから怒った表情を見せる、正しい手順で行ったときだけ反応し、誉める、などがありますが

怒られたり、褒められたりの一連のやりとりが、この子のイタズラぶりを助長させると考え、褒めるときは「そうですね」と大げさに誉めずに「できているので、それでいいです」のスタンスでいくことにしました。

望ましくない行動をしているときは、その場から少し離れて相手にしないということにしました。

かみ合わないときもありますが、1人でできることは自分でやり、「できた」という顔をして出てきますので、「はい、できました。次は〇〇ですね」と、そこまで自力でたどり着けたという経験を積んで自尊心がもてるようにすること、褒められることで物事は完結せず、次にすることを考えるきっかけ(種まき)を与えることを日々繰り返しています。