担任の先生より OT・PT・ST

1041)特別支援学校 靴は立って履くものか

「学校って、靴を履くときに、立って履くものと決まっているの?」

ふと、作業療法士の人がもらした言葉です。

それを聞いて、確かに立って履いてってのを聞いたことがあると思いました。

実際に、それを聞いた時に自分が思ったことは、どんな感じだったんだろう…?と思い返してみました。

【立って履く姿を見て、何を思ったか】
片足をあげるだけでも、ややふらつくのに、ハードルが高そうだ。
なんとかできているし、「できている範囲」として鍛えれば、動的な立位バランスは向上するかも。
周囲を無遠慮に通り過ぎる児童生徒、教員がいるなかで、接触したら転倒するかも。
近くに椅子があり、座りたそうにしていたが、先生に言われて、立って履くって、従順だなぁ…。

運動機能的に苦しい感じがするし、自分が主担任(しゅたんにん)だったら、安全に留意しながら身支度ができるとして、壁などにもたれながら、椅子に座りながら靴を履くように促したでしょう。

しかし、靴箱エリアで立って履くことを選んだのは担任で、そこは児童生徒が頑張って乗り越えるところ、だから、自分は周囲の人がぶつからないように少しばかりの交通整理をして、本当に転倒しそうになったら支えるつもりで見守っていました。

【なぜか】
立って履く指導が散見されるのはなぜでしょうか。

その指導を選択する先生にもよりますが、以下のようなものがあるのではと思います。

・立てるなら、もっとうまく立つ(段階付け)
・いつも、どこでも座れる訳でないので、立ってできるように
・向上させるよう指導しているという前向きさ
・個々に細かく対応していると、目が行き届かない、手が足りない

「子どもの身体機能をみてから、指導方針を考えてみたらいいのでは」と思いながら、「複数の児童生徒の指導を同時にやっているので、合理性や公約数的な考えももたないと、日々やりきれない」かもしれません。

成果主義や保護者説明などが強調されるようになって、「やっています」、「できています」のアピールも必要になってきて、何かに追われているような気になりがちです。

落ち着いて、臨機応変に、できる範囲で、というのが必要なら、タスクとマンパワーと子どもと教員の実態をふまえて、柔軟に判断できるようになればと、靴の着脱を通して感じました。