学校では、担任としての仕事だけでなく、学校運営にかかわる様々な仕事が降ってきます。
これまで、自分が子ども時代に見た先生の様子から、教員の仕事とはこんなものだと思い描いていたと思いますが、おそらく教員の仕事はここ何年かだけ取り出しても、随分変わったと思いますし、増えてきたと思います。
教員の見えていなかった責任や役割を知り、それまで勝手に「教員の仕事はこれくらい」と思い込んでいたものと比較して、「期待や予想と違う」と感じてガッカリするのではないでしょうか。もし、これが正しければ、昨今よくやられている教員の魅力発信と、離職率について、有意か有意でないか検証してみたい気もします。
それはさておき、仕事をしていると、量的に過大、未経験だけれどマニュアルがない仕事(正解はないけれど、不正解は出すなという類のものが多い)、苦手な処理がやたら多い、というものが舞い込んでくることがあります。
【進め方を確認せよ】
どんな仕事か把握し、手順を確認し、問い合わせや確認作業を行い、形にして提案や提出をする、これが与えられた仕事をこなす流れです。
「出すべきものを出したので、これで私の仕事は終わり」
残ったものは、結果のみ。経過や手続きなどの足跡は残されていないことが、校内の仕事でありがちなパターンです。おそらく、あなたの次の人が同じ仕事をするとき、あなたと同様に仕事の意味や手順を確認して、言われた通りにしながら、あなたが前年度に作った「ゴール」を目指して走るのです。
この、確認しながら仕事を進めることは、私は今この仕事に取り組んでいるという主張になり、聞いたからには協力してね、後で聞いていなかったと引っ掻きまわさないでね、プロジェクトが完成したら素直に流れにのってくださいね、といった共通意識をもつことで孤立しないようにする意味もあります。
が、規模が小さい、範囲が狭い仕事の場合、様々な部署に確認や根回しをすることは無駄であることが多いです。時間と手間だけがかかって、なかなかスッキリ進まないし、終わりません。
【分かったら、どうするか】
あなたは、マニュアルもないなか、その仕事をやり遂げました。おそらく、ノウハウは頭のなかにあるはずです。(曖昧なら、言語化して、体系化してみましょう)
その後、どうしますか?
その仕事なら私ができます!と手を挙げるでしょうか?そうなると、案件がでるたびに、無遠慮にあなたのところに空気も読まずに持ち込まれてくるでしょう。
それがイヤなら、マニュアルをつくって、当事者間でできるようにするでしょうか?
以前は、時間と手間を食う仕事を減らすことが、仕事への不安を軽減し、組織が円滑にまわるために必要なことだと思い、何でもマニュアル化して残してきましたが、できると分かると「その仕事ができた自分」の希少性が奪われて、分かる仕事がある場所で立ち位置を確立できず、いろいろな人に踏み荒らされることになってしまいました。
【では、どうするか】
自分がオーバーロードしないで、安定して仕事を続けるためにどうするか
「仕事はする、マニュアルは作る、しかしそれを公にしない」ということにしました。こうすると、その仕事が分からない人がきたとき、解決策を小出しにすることができ、自分が全てを抱え込んでする必要がなくなります。自分がヘソを曲げると、ややこしいときに解決の糸口を提供してくれる人との縁が切れるので、無茶な仕事を詰め込んでこなくなりますし、依頼をお断りすることもできます。
学校の仕事は均等割でなく、組織的にやって、結果できればそれでいいことが多いです。
そのため、仕事が遅い人、できない人、文句ばかり言う人にはまわってこず、仕事ができる人、断らない(断れない)人、相応の役職にいる人、該当の部署にいる人に仕事がどんどん積もっていく傾向があります。
できる人は頼りにされます。しかし、誰もあなたの仕事がどれくらいの質・量なのか管理しませんし、配慮してくれません。自分を知って、管理できるのは自分だけです。