特別支援学校に限らず、学校には様々な「計画」なるものがあります。
学校経営計画
個別指導計画
個別支援計画
年間指導計画
分掌等の運営計画
などなど、とにかく何かに則って、やること為すことについて計画通りにやります、ということです。
大きな枠組みについて、流れや方向性を示すことは事前にやってもいいと思いますが、日々の運用について、様々な個性や能力をもつ教員が、様々な教育的ニーズのある子どもたちに対して、事前に計画や目標がたてられていることに違和感をおぼえることも、なくはないです。
【計画をたてる】
学校の運営は「公」なので、その営みも現場で勝手に判断して、勝手にやっているものではないですよ、という形を残します。税金を使っているのだから、ちゃんとやっているか開示してください、の流れがここにも影響しています。だから臨機応変な対応ができないんだ、と言われればそれまでです。
しかし、計画を立て、すりあわせをすることによって、学校ごとに大きなばらつきがなく、どの学校に行っても著変ないのは安心感や安定感につながるとも考えられます。また、個別最適といえども、あまりに個別対応に振り回されるようなことがないよう、一定の基準を定めておくことは必要と思われます。
【計画通りにはいかないよ】
例えばですが、前年度末に太極拳に詳しい先生がいて、太極拳を年間指導計画に盛り込んだとします。しかし、その先生は異動によっていなくなってしまいました。
なんてことになったら、新たにきた先生や、残された先生はたまりません。「どうすんだ、これ…」となるので、同じ目標が達成できるなら、人が変わってもできるものを選ぶほうが親切だと思います。
個別に学んだメソッドが色濃く反映した計画は、残された人にとっては困った遺物になることも。
それだけではありません、前年度に今の5年生を指導した先生が、次の新5年生に「同じがいいよね」とたてたとしても、年度ごとに児童生徒の個性や能力にはばらつきがあり、「同じ5年生だから同じくらいで大丈夫かな」、という考えが通用しないこともあるのです。
多様な発達段階を経ている子供たちの集団だから、想定通りの枠にはめるのは難しいことです。
それでも、学校は計画に基づいており、それを保護者等に提示しているので、ドラスティックに変更するなんてことはできません。全校的に、学年ごとに段々進んでいる、のような「年齢とともに能力はあがるもの」、「上級生のほうが能力が高い」と考え方も根強いので、計画と発達段階がかみ合わないこともよくあります。