学校の文化 担任の先生より

1156)特別支援学校 多様性を認める職員室は良い?

楽器の演奏ができる先生、運動の指導が得意な先生、事務処理が得意な先生、保護者対応が得意な先生…。

特別支援学校では、授業ごと、場面ごと、担当する児童生徒ごとに様々な能力が求められます。教員集団の多様性は、チーム力として望ましいものだと思っていました。

思っていたということは、今は違うのか?

今はそうではないと思っています。

というのも、年齢とともに、経験年数とともに、学級や学年の核になってくるにつれて、その場その場を安定的に、安全に過ごせるようにするには、突き抜けた能力よりも、日常を落ち着かせる能力を重視するようになりました。

ある意味、中間管理職的な考え方かもしれません。たぶん、それまでの自分は「この部分をしっかり守っていればよい」とどこか一部分に特化した職人的な意識でいたんだと思います。ところが、全体をみるようになって、様々な「穴」をふさぐことや根回しをするなかで、考え方が変わってきました。

学年ごとに配置される教員には限りがあります。欲しいものは統率力と指導力と調整力です。そこにプラスアルファでできるものがあれば歓迎です。

楽器演奏ばかり、パソコンなどの電子機器ばかり、個別指導ばかり、そんな先生ばかりになると、日常がキープすることが困難になります。

多様性は、基本があってこそ。教員はそれぞれ学級に配置され、責任をもつことになっており、実際は学年全員をまとめて、場面ごとに先生を使い分けるものではありません。

狙撃だけ、料理だけ、剣だけ、航海士だけ、歴史家だけ、造船だけでは困るのです。