担任の先生より

297)保護者面談で主張した、「これは、できます!」というビッグマウス

特別支援学校では、担任と保護者が情報交換や説明責任を果たす、希望を聞く、などの目的で面談が実施されます。場合にもよりますが、教員2人と保護者1人、または教員1人と保護者1人で話しますが、記録をとって保存する目的で教員2人になるケースが増えているように思います。

お家では、どうですかぁ

【医療まではいきませんが】
医療分野では、「治してみせます」、「治ります」といった確約はしてはいけないことになっています。
人間の身体は不思議なもので、「病は気から」かもしれませんが、治療に難渋していたものが、なぜか「治っちゃった…。」ということがまれにあります。

しかし、大抵は、整形外科なら癒着や瘢痕など、内科系だと再発のリスクや薬の副作用、心療内科的な心のキズ、脳外科だと軽微であっても高次脳機能障害などが残る、などが考えられるため、完治は確約できません。

そのようなことがあるので、「ベストをつくしますが、こういうリスクがあります。それも念頭におきながら、治療に合意頂けるなら、こちらにサインをください。」となります。

特別支援学校の教育にも同じことが言えるかもしれません。

できるかできないかは学校の環境面、教員の指導力や相性、こども自身の希望と合致するかなどの条件がからむので、「できます」は安易かもしれません。ただ、学校は情念で通る部分があるので、「できたらいいなという思いがあったのでつい言ってしまいました。」が通じるところもあり、医療分野ほど厳しくないと思われます。

しかし、内容的に無理があるもの、根拠もないものを安請け合いして、保護者の期待感をあおることは慎むべきでしょう。

やります!

【保護者にできると言うには、相応の根拠が要ります】
・「心身の機能・構造」の観点から、不可能なことではなく、できる材料が揃っている。
・未経験、未学習であった(これまでやっていない、など)。
・該当する観点に対するアプローチが実現可能で、実施機会が保証できる。
・「なぜできないか、どのようなポイントを指導すれば、何が改善して、何ができるようになる」までの筋道が立っている。
・少し取り組んでみて、すでに成果がでてきている。

なかなか揃うことはありませんが、確信がもてれば、学年教員集団や保護者とともに、連携して取り組んだほうが効果的なので、言っていいと思います。

また、指導の軸ができ、言ったからにはやらねばならぬ、それくらいのプレッシャーがあったほうが、仕事にも張り合いがでると思います。

https://magomago1.org/296whichdoyouchooseforstudentsorparents202011/
前回は、「296)学校として、子どもの指導と保護者に見せること、どっちをとるべきでしょうか?」

https://magomago1.org/298ateacherwhowanttomakeownworldinhissection202012/
次回は、「298)コントロール欲求が強い教員がいると、大変です。」になります。