学校の文化 担任の先生より

337)特別支援学校の校舎移転(建て替え)

昭和56年の建築基準法以前の建物は震度6以上の地震がきたら倒壊する恐れがあり、各地で新校舎の建設と移転が行われています

なかにはこれを機会に学区や学校の枠組みを更新していこうとする動きも見られます。

【校舎】
敷地が潤沢である場合、現行の校舎の隣に新校舎を建てつつ、段階的に移転していくことがあります。
敷地がそれほどない場合は、他の場所に仮設校舎を建て、とりつぶしと新築が完了するまでそこを拠点にすることがあります。

【児童生徒に向けて】
日常の教育活動を中断して移動することは時間的にも、授業時数の確保、環境の変化を考えると難しいと思われます。そのため、夏休みや、年度変わりをぬって移転作業が行われます。

そうすると、休みが明けたらまったく違う環境に入ることになるので、靴箱の表示から教室表示にいたるまで、児童生徒が環境を把握するに足りる手がかりがあるかチェックする必要があります。

それをふまえると、児童生徒によっては「変わります」の予告によって、気持ちの準備をする必要があります。それはまさに、移転の事前学習といったところです。

何が変わって、何が変わらないか、どんな部屋に行くのか、パネルやパワーポイントなどを駆使して移行準備をしていきます。

【通学】
仮設校舎など、場所が変わる場合は通学の手段やルートが変わるということになります。

全体的に拠点の校舎を中心に通学する児童生徒が大半でしょうから、仮設校舎が変わってしまうと他校よりも遠くなるということがありえます。

1人通学の児童生徒は見直しが必要ですし、スクールバス等を使っている場合はルートやバス停がかわるので、コースごとに乗降する児童生徒が入れかわることが考えられます⇒相性等の関係で、新たなトラブルが発生する可能性が高まります。

【学級の荷物】
今ある学級と、今後の授業を想定して、必要最小限のものを残して、早めに梱包することになります。

そうなると、変化に対応した教材準備が難しくなるので、活動は全体的に安定的で、縮小したものになります。あれもこれもと考えると、荷物ができず、片付きません。

【学校の荷物】
学校の備品や各委員会等の荷物はいろいろな教員が触れるので、個々に気を利かせて移動させると保管されているのか、紛失したか分からなくなります。そのため、多少不便になりますが、どこの荷物はここにある⇒どこに置く、とはっきり所在を決めておき、新しい校舎の活用に慣れてきたら使いやすいように配置を考えることが妥当だと思われます。

【置き換えるだけ?】
A地点からB地点に置き換えて終わりにはなりません。
校舎の教室配置、部屋数など大きな変化があるために、これまでの営みを破壊しすぎないようにしながら、大人も児童生徒も環境適応することが必要です。

【教員の内覧】
何度か新校舎への移転を経験しましたが、できあがってから教職員の内覧が行われます。見た環境をもとに荷物を運んだり、掲示物の配置、学級運営の導線などについて検討されますが、他にも「想定されるリスクについて考えさせる」というものがあります。
「ここは登りやすく、転落が想定される」、「見通しが急に悪くなり、出会い頭に衝突する可能性がある」などです。
そこでまとまったリスクについて、予算を計上して修繕などが行われますが、多くは「先生方が注意してください」、「先生方が注意してください」のオンパレード。
それを聞いて、心境は複雑でした。

https://magomago1.org/336supportstudentsparentswhohasmentaldisease202101/
前回は「336)日本教育新聞 保護者の精神疾患やヤングケアラーの記事より」でした。