「こんにちは、あくしゅ」
「はい、どうぞ」
初期のコミュニケーションに関する取り組みはパターン化されたものであったり、一定の条件で発動させるものであったりと、場面や子どもに応じてかかわり方を工夫します。
目の前にいる人を見なかった子どもが、手を出すと手のひらを合わせたり
ぶるぶる震わせると、それに応じて笑ってみせたり
そのうち何が起こるか見通しがもてたりすると、楽しみに待つ姿が見られることもあります。
多くのコミュニケーションは学年や学級の中で行われ、大人と子どもの1対1が多くなります。
はじめは多くの刺激にさらされることなく、シンプルなやりとりが有効ですが、少しでも見通しがもて、相手を意識できるようになってきたら、他のことも試していいと思います。
【越境】
一方、移動の練習や活動もよく行われます。
車椅子移動、PCW(ウォーカー)やU字歩行器などを使った歩行がそれで、「どこまで行く」、「何をする」という目標をもって、行って帰ってくるというものです。
多くは馴染みの場所や、好きなものがある場所を設定して行われ、動機づけと達成感をもつことがセットになっています。
もし、他学年の教室に好きなおもちゃが置いてあったり、馴染みのある児童生徒がいたりしたらどうでしょう。ちょっと近所の家に遊びにいく、ちょっと離れた家にいるお兄さんに会いに行く、などの手続きの少ないシンプルな昭和の時代の人間関係が再現できると思いませんか?(当時は近隣の敷居が今よりもっと低くて、アポなしで呼び鈴を押して遊べるか聞いたり、道を聞いたり、トイレを借りたりしたものです。)
学級経営、個に応じた指導や成果を問われると目の前のことに追われてしまいますが、他学年の教員との関係が良好で個々の指導目標が伝えられていれば、縦割りの人間関係が容易に作れます。
よく学年を越えた年齢層の違う集団を作るため、交流会や清掃グループの設定などが行われますが、公式にやると別枠の打ち合わせや実施要項の作成、月予定表への記入、場所の確保など、多くの時間を使ってしまいます。
それも悪くないのですが、授業の枠だけで子どもは学ぶものではないし、自立活動について、「学校生活全体を通して行う」ものなので、時間と機会を有効に活用すれば、手っ取り早く取り組むことができます。また、公式ではないので手ごたえがなければ止めてもいいし、他の策を練ってもいいのです。
何事も準備や反省などを出していれば、物事の改善が図れると思います。(PDCAサイクル)
しかし、枠を作って始めたら「担当主導」、「時間調整などで大変」が必ず起こり、ポジティブさを前面に出しして始めたが故「止められない」ことが問題になってきます。
学校の強みは個別と集団を使い分けられる、在校時間全体で勝負できるところです。
教科ごとの目標や計画に振り回されて、生活と子どもを広く、離れて見ることができないのは勿体ないと思います。うまく人と時間と空間をつかって、無理せず効果的な学習の形を作っていきたいものです。
https://magomago1.org/374readingbookshelpyoutalkandenglish202104/
前回は「374)特別支援学校 本の読み聞かせ」でした。