先日、学校に入る作業療法士や理学療法士などの専門家とチームを組むことで得られるメリットについて書きました。では、教員同士だとどうなるのか…と考えてみました。
【職員室文化】
教員同士はというと、まずは一緒に指導する者として立場は平等であるということから、「互いの専門性を尊重し、干渉し合わない」のが暗黙のルールになっています。
できる場合は、トップダウンで下ろされたものか、空気の読めない人が突っ走っている、ということになるのでしょう。
このことから、よほどひどい内容か、保護者や児童生徒の希望に反するものか、事故などのリスクを伴うもの、初任者などの年次研修で行われる研究授業でない限り、ほぼ指摘されることがありません。
この同僚の距離感は医療職などの関係よりも遠慮がちで、「高めあうことが正義」、「患者さんのための正当な指摘」のような空気ではないと分かります。
【授業をかえる】
上記のことから、日常的に授業を改善し、MT(メインティーチャー)に依存しない状況をつくるには、授業するグループで気づいたことを話合い、互いに何を準備するか確認しあうことをルーティンにするか、MT自身が「意見を言っていい」ことを宣言するか、だと思います。
【どこに手を入れるか】
MTがその授業で何をしたいか、それぞれの児童生徒にどうなってもらいたいか、について変えてしまうと、MTとしての顔を潰すことになるので、そこは忖度しなければならないところだと思います。
ただ、もっと学びやすくなる、支援がしやすくなる点については言っていいと思います。
(学校を支援する専門家の人は、このへんで踏みどころを間違えている気がします)
また、MT自身も自分の授業者としての考え(教育観)をおさえつつ、他の教員の得意・不得意、能力、支援についている児童生徒のことを考えつつ、何を提案して欲しいか、どこを手伝ってもらいたいか伝えるようにしたいものです。
【一緒につくりあげるメリット】
学校の授業以外でプレゼン資料をつくる機会があり、校正やアレンジを依頼したことがあるのですが、自分だったらここで止まっていたであろうものが、他の人の手によって色が変わったことに面白さを感じました。
また、単にアレンジしてもらうだけでなく、先に自分のもっている情報を見てもらうことで、一緒に支援にあたる人が概要を理解して本番に臨めることになります。
こうなると、他の教員の時間を少し奪ってしまうことになりますが、授業を一緒につくることはメリットしかありません。互いに協力することで教材研究や能力開発を効率よく進められたらと思います。