担任の先生より 雑記帳

465)特別支援学校 教員の定年、気をつけることは年度でなく年齢

教員が退職後の生活をデザインするとき、年金を受給するとき、年金を受給するまでの働き方を考えるとき、「定年はいつなのか」把握して計画することが大事です。

【定年はいつなのか】
高年齢者雇用安定法第8条では「事業主が定年を定める場合は、その定年年齢は60歳以上としなければなりません。」と記載され、60歳未満の定年を禁止しています。

ということは、昇給等をしながら積み上げてきた正規職員(月給40万円とか)の雇用は60歳でおしまいにしてもよい、ということですね。また、年金受給開始が後ろ倒しになることに伴って、65歳までの雇用確保措置(義務)と70歳までの就業機会の確保(努力義務)が定められています。

職場によって、定年になる日はいろいろあるようで、学校の場合は60歳になる年度の末、つまり3月末日になるのですが、60歳誕生日の月末、半期ごとに締めて退職者を送り出す、などです。

学校もモロにそうなのですが、定年の60歳に到達する年度は、年金を繰り上げして最速でもらえる年だったりします。

【年度でなく年齢で年金制度の節目を段取りましょう】
最速繰り上げの年金額8万円(例)+給料50万円=58万円

ということで、年金カットを食らう28万円(2022年2月から47万円)をあっさりクリアする経験をしてしまいます。数か月の年金ロスを指をくわえてみて、次年度の再任用の給料が30万円とすると、やっとここから満額の年金がもらえることになります。

また、この年金カットのルールは65歳以降も47万円をリミットにして、残り続けます。

年金支給開始を基準の65歳(誕生日)スタートにする、と決めたとします。
65歳誕生日を含む年度内のうちに月あたり40万円の仕事をして、年金基準額を越えようとフル稼働していると、年度末を迎えるまでの何か月かは年金カットを食らいつつ、カットされた分だけ積み増そうとした年金額もカットされてしまうことに。

そう考えると、もらえるものはもらう、仕事で年金額をあげたい、損したくない、という方は、年金スタートの65歳を含む年度を大事に考えるべきです。

年度と年齢をからめて、丁寧にみていくと、以下のような感じになります。
(70歳までは厚生年金に加入できることを最大限に活用することを例としてみました)

・60誕生日

・60歳年度終わり(定年退職)

・再任用拒否、4年間講師で働いて、年金カットを恐れず年金額の基準をあげる。

(講師は雇用なしのリスクはあります。65歳を迎える5年目は講師を延長しない)

・65歳以降は年金カットされない額で厚生年金に加入しつつ働いて年金額をあげ、繰り下げで更に年金額をあげる二段構えをとります。これを70歳の誕生日を含む年度まで続けます。

・70歳になったら厚生年金に加入できなくなる。ほぼ年金額は決まるので、70歳以降から年金をもらう手続きをする。

・70歳以降は年金をもらいつつ、年金+給料が47万円を越えないよう注意しながら、細々と働いたり、休んだり、遊んだりして暮らす。

【段取りを考えながら思ったこと】
いつまでこの職場で働けるかと思いますが、まずは「こうしてみたら」という自分なりのプランを考えておきましょう。年金額はカットされない範囲を守れば70歳までつみあげることができます。現役時代にしゃかりきに上昇志向で頑張れば、ハイペースで年金額も上がるでしょうが、人間は100mを走るペースで5000mを走りきることはできません。始めに頑張ってリタイアを早めるか、無理のないペース配分で長めに走るかだと思います。どっちにしても、結局行きつく先はあんまり変わらない気がしました。


https://magomago1.org/464skillupintheendofsummervacation202108/
前回は「464)特別支援学校 夏季休業中の校内研修会」でした。