担任の先生より

471)特別支援学校 コロナ感染が分かってて出勤しちゃった先生、分かるけどダメだよ

先日、ヤフーニュースで、コロナに感染しているのに、学校に行って授業しちゃった先生のことが出ていました。児童生徒に向き合う教員として、適切でないということになるでしょうが、ちょっと違う見方もできないかなと思いました。

【なんでだろう】
その先生、なんで仕事に行っちゃったんだろう?

なかったことにしたい」、「自分が急に感染を原因で抜けると、周囲は大混乱するかも」、「何らかの責任をとらされるかも」、など様々な葛藤があったのかもと思います。

【そもそも】
それでも出勤してしまいました。

全国的に感染者数が増えている中でも、「学びを保証する」、「教員が適切に感染対策をする」、ということで通常通りに登校させる学校がありました。

別に、そうしたからといって、ウィルスを完全チャットアウトはできません。

子どもは外に出て通勤し、仕事をしてくる保護者と同じ所に住んでいますし、教員も公共交通機関で大勢の中でもまれて学校に出勤してくる訳です。そういったあらゆる感染経路の集合体(?)の1つが学校なのですから、校舎をある程度除菌できたとしても、着ている人間そのものに感染リスクがあるなら、感染対策として成り立たないということになります。

それでも、社会の期待(?)に応えて学校を開けました。

その背景には、学校を開けることありきで行われた議論と、適切に現場がやっていれば感染拡大はないはずだという他力本願的(または楽観的、または盲目的)な発想があるのかなと思います。

学校は医療機関でないので、そこまで対応する能力はありませんし、いざとなったら院内移動で救急にまわすなんてこともできません。実際感染したときの対応も独自ではできない弱さがあります。

教員1人が「適切で、安全であるはずの学校の職員が感染している。」、あってはならないことが身の上に起こってしまったことを受けとめきれなかったのかもしれないと思います。そうだとしたら、いろんな意味で残念です。

【どうする?】
私だったら…手を挙げて、出勤を止めて、事後の対応について確認していたと思います。

その根拠は、「自分が感染経路の中心になってはいけない」です。

コロナに感染することは、「やむをえないこと」です。
かかってしまったものは仕方ない、ただそれを拡大させずに平穏なところに至るにはどうするか、シンプルに計算するだけです。

学校にいる同僚や子ども、自分の家族と自分自身、トータルで考えて確認すれば為すべきことは見えてきます。今の学校の感染対策で不満なのは、子どもや保護者への配慮だけが先にたって、教職員の健康や安全がおざなりになっていることです。

教員は公共のコマだという観点のみで語られることが残念です。
教員も日本国民ですし、地域住民ですし、社会人ですし、人によっては親であり子であったりする訳です。

それを気にしていたら指示が出せない?
いやいや、それを気にして最善の公約数がとれる人こそ真っ当なリーダーだと、私は思いますよ。


https://magomago1.org/470whenyoucontrolthetimeandjob202108/
前回は「470)特別支援学校 定時に帰る能力」でした。