担任の先生より

480)特別支援学校 保護者面談のときに気をつけていること

学期の始めになると保護者の希望を聞きながら、どのように学校教育を行っていくか説明責任を果たすために面談が行われます。

面談を行うにあたって、気をつけていることは何か、自分の答えは以下の二つでした。

①嘘をつかない:学校でやっていないことを「やっている」として伝える、できるようにする工夫をしていないのに「こんなことができている」と吹聴することはしません。以前、「できている」、「専門家と相談しながらすすめている」と虚偽を伝え、実態に合わないことをして転倒事故を起こした教員がいました。学校の実態把握は確かなのか、専門家の人たちとの連携は意味があるのだろうか?と疑念を抱かせるものになり、本当にきちんと取り組んでいる教員に対して失礼になります。嘘はバレると失望につながり、場当たり的な対応は次に引き継ぐ教員に迷惑をかけるだけでなく、その後の指導が底抜けで、絵に描いた餅になるため、学級の運営が苦しくなりす。

②保護者に過剰な期待を抱かせない:根拠もないのに機能的障害を改善できるかの言いまわしや、青天井のように成長するかのように話さないようにしています。子どもができるようになること、分かるようになるのは保護者にとって、教員にとって嬉しいものです。今できるようになったことが、どこまでも発展するのか、広がりを見せるのか、保証もないのに「いつかできる」などと言わないようにしています。言えることは、ここまでできた、次はこれだと考えて指導していきます、くらいです。

【話のなかで気をつけていること】
保護者と話すとき、まず、はじめの表情や身のこなし、たわいもない会話のなかから、どんな話から切り出すか決めます。無難なのは、「先日の連絡帳にあった…」とか、「夏休みの話題」とか、「先日の通院のときの話」などで、いきなり重い話題でいくと、その後がしんどくなるので、どこをおさえて、どう終わるか意識して進めます。

重い話があり、それが長く続くときは、箇条書きになったものを順番に確認していくという状態をアピールします。とにかく機械的、聞くのは心苦しいけれど、リストにあるので聞かなきゃいけないのというオーラを出しながら話します。

面談は複数で対応して、後になって言った・言わない、聞いた・聞いてない、のオンパレードにならないよう配慮します。メインの人は保護者の表情などを見ながら、どこまで話を引き出すか、頭をフル回転させながら話し、サブの人は極力余計なことを言わず、メインの面目(いわゆる、顔)や保護者との関係を壊さないよう、今の状況はどうか、どんな話題が選択されているか、担任の主張や確認したいことは何なのか、などに意識を集中させます。


https://magomago1.org/479closedclassteacherhaveanyproblem202109/
前回は「479)特別支援学校 子どもの抱え込みは教員の専門性の向上を阻害する」でした。