担任の先生より 未分類 OT・PT・ST

499)特別支援学校 できることはいいこと?生活上想定されるリスク

「昨日、お腹がすいたのか、冷蔵庫を自分で開けて生肉をかじってしまいました」
連絡帳を見ていて、ちょっとびっくりする言葉をみつけました。

お腹がすく
台所に行く
冷蔵庫、いつもそこから食べ物を出しているのを知っている
開けてみる
何か分からないけれどこれが食べ物だ
食べてみよう

欲求から行動し、食べるという目的を達することはできました。
しかし、食べていい物か、そうでないかの判断ができなかったのが残念です。
たとえ調理していても、それがお父さんの夕飯だったとしたら、それも残念です。

【指導してきたもののなかでNG疑惑のあるもの】
①車椅子自走
自分の力で、移動するということ、行きたいところに向かう、そんなことを大事にしながら指導します。

しかし、自分勝手に動き出して転落、接触などがあると事故案件となります。保護者が車椅子を動かそうとしたとき、子どもがハンドリムに手をつっこんでいたら手を巻き込んでしまうかもしれません。移動は予見と状況判断を必要とします。ブレーキを外すこと、ハンドリムに手をかけること、それを教えることの意味をもっと考えるべきかもしれません。

②開ける・閉める
カギ、扉、ドア、これらの開閉は欲しいものを取り出す、片付けをする、などのために使います。先に述べた冷蔵庫の開閉もそうですが、鍵を持たずに少しの間と外に出た保護者を閉め出してしまう、ベランダで物干しをしていた母親がカギをかけられて部屋に戻れなくなる、など笑い話のようでシャレにならない事態を引きおこすかもしれません。

③遊具にのぼる
トランポリンなどはどうでしょうか。片足をあげ、遊具に足をかけながら、腕と体幹を使ってよじのぼる動きは、ベランダの柵や踏み台に足をかけてのぼる動きに関連します。毎年どこかでベランダから幼児が転落する事故がどこかで起こっています。この子の認知機能をふまえると教えていいものか検討すべきかもしれません。

④かくれんぼ
隠れたまま、出てくることができなくなったり、遊出扱いになって大騒ぎになるかもしれません。

【集団のなかでできること】
学校では、学級ごとに誰が誰をみるか、場面ごとに確認されています。事故はないとは言えませんが、起きないように配慮されている環境といえます。しかし、学校を卒業すると、そこまで充実した支援体制は望みにくく、保護者への負担を増やす能力や誤学習を増やして送り出していいのかという気がしました。もっと指導することの意味や価値をじっくり考えて、その子なりの能力を伸ばすことが必要だと感じました。