以前のブログ記事で、メインティーチャー(司会?)がメロメロでも、サブティーチャーがしっかりしていれば大丈夫、と書いたことがありました。これは研究授業で学生さんなどが緊張して真っ白になっても、なんとかなってしまうことがある、というものでした。
それでも、サブティーチャーも人間ですし、ここは乗り越えろと獅子の子を千尋の谷に突き落とすように、見放してしまうこともあります。(鬼かい…)
【随分前の授業エピソード】
「さぁ、これから先生が見本を見せます。」
美術の時間が始まりました。
生徒も、サブティーチャーの教員も、どのように作品を作っていくか、固唾を飲んで見守っています。
というのも、どのような授業をするか、日常の授業では逐一指導案や、指導略案を作って配布したりしません。
内容が大きく変わる、新しいことを始めるので、事前に共通理解を図っておきたい、手順が少し細かいために、教員1人ひとりが自立して指導できるようにしておきたい、そんなときに指導略案を作成して配布するこがあります。今回は、略案の配布はなかったので、でたとこ勝負でサブティーチャーそれぞれに任せる、ということなのでしょう。
「この色を混ぜてぇ、それから…あれ?あれ?」
「ちょっと色が薄いですが、こんな感じです」
「よろしいでしょうか?」
なんだそりゃ…。
よろしい訳ねーだろーがー。
美術室は、ちょっと微妙な雰囲気です。
それでも、代替案はある訳がなく、この作風をキープして、何か作らねばならないことは明らかです。見本でうまくいかなかった原因は、水の量と道具の使い方にあることは分かったので、軌道修正はできそうです。作品を完成させるイメージはもてました。
「すごい見本だと気後れするけれど、ハードルは下がったので、頑張ろう!」
今思うと、ものすごい嫌味ですが、だってあの雰囲気のなかでスタートするのは難しかったですもん。
中堅教員で、新人でもないし、普段言いたいことを言っている人だし、構うことはねー、という感じでした。新しいことをするとき、自信がなければ事前に確認しておかなかったMTが悪い。
隣の小グループの教員にも対応策を伝えながら、生徒同士の順番や役割を決め、見本以上の作品ができあがりました。
サブティーチャーに腕があれば、事前にうまく作れるか確認しておけば、指導略案を作成して配布しておけば、このように授業を安全に行うための保険はあります。授業をやりきる自信がないときは、是非お試しください。