調理学習や図画工作(美術)、木工などの材料は、すでに学校として購入しているものから使ったり、教材費
のような形で保護者から集めたお金(多くは就学奨励費対応)でまかなわれたりします。
どの授業で、誰を対象に、どんな値段の、何を使うか申請して、お金を用立てします。
用立てしたお金をもって、お店に買いにいき、レシートを発行してもらって事務方に提出します。
ということは、購入したものは子どもの私物扱いになるのです。買った以上は有効活用しますし、勝手に捨て
たり、あげたりすることはできません。
【休むのか?】
ある日の授業で調理をする予定だったのに、突然当日休むといったことがあります。この場合、この日の授業
で調理をして、食べることを宣言しているので、前日に特別に作って食べさせることはダメ(もしくはグレー
ゾーン)になります。作ることや食べることはできても、その後に食品衛生管理関連の問題が起きた場合、フ
ライングして無許可で食べさせたことが問題になるかもしれません。
では、食品でなければどうするか。この場合はフライングや振り遅れ(?)が可能になります。先に個別で作
っていれば、本番の授業で見本として活用できますし、後になれば、友達の作品を並べながら作ることができ
ます。
とにかく予算的に使わなければならなくなる、作品展示したときに、その子だけないという状況を学校は嫌い
ます。「なんとか平等にできたことにならないか?」という課題意識が先にくるのです。
【買ったから使わなければ】
買った以上は使わなければと思うのであれば、「買わなければいいじゃん」という意見がでるのは当然です。
毎週この授業のある、この曜日に休むことが習慣化している児童生徒がいたら特に、です。この場合、先に述
べた本番の授業の前後に使ってしまうか、休むことが事前に分かっているので、材料を買わずに進めることは
OKか保護者に確認することもありました。こうすれば、その授業に関する穴はあけてよいこと、展示の際に
空席がでることについて、保護者から合意を得たことになります。
【でもさぁ】
材料購入を適切に行って活用することを考えれば、いろいろ方法はあります。しかし、本来の授業でない時間
のなかで、個別対応のために教材を準備するのは、余分な手間と時間がかかります。できあがった作品が並ん
だ様子を見れば、「同じ空間で、一緒に作ったものだろう」と思うでしょう。しかし、なかには正規の枠組み
以上の仕事をして、「平等に行った実績」を教員の配慮で積み上げることがある、という事実を知ってもらえ
たらと思います。百聞は一見に如かず、実際にやるのは見て思う以上に難しい、です。