担任の先生より

577)特別支援学校 肥え太った公務員

コロナウィルスが相変わらず猛威をふるっています。
日常の買い物はしなくちゃと街中を歩いていると、選挙のチラシを配る運動員、選挙演説をする男性を見ました。

彼らの主張はこうでした。

「今の議員は高齢で、この先20年、30年先の将来を託せるか」
「私たちは40歳前後と若い、みなさんと一緒に未来の日本を作っていきましょう」
「公務員は肥え太って、金を食う。お金はみんなに行きわたるようにしよう」

【公務員】
日本には約58万人、約274万人の地方公務員がいます。その数は、国の枠組みを作り、それを形にするために省庁や都道府県、市町村ごとに必要な部署を設定し、そこに特定の人数を入れることになります。その給与は人材確保の観点も含めて、等級表が作成され、安定的に支給される仕組みができています。

選挙運動員が言うように、肥え太る公務員を減らすにはどうすればいいか。

①国鉄の解体や郵政民営化のような民営化(小さな国家への移行)
②1つの部署に5人いるのを4人にして「予算が無いんだ、なんとかしろ」で済ませる。
③5人のうち3人を非常勤(非正規労働)にしてコストダウンする。
④業務が拡大しても人員を補充しない、人員を満たさない。
⑤給与表を改訂して昇給カーブをなだらかにしたり、フラットにしたりする。
⑥枠組みを統合して、管理職の頭数を減らす。
⑦採用や配置などは公務員ルール、運用は民間ルールに近くして、枠組み以上の仕事をさせる。

これらを段階的に実行すれば、公務員にかかる人件費を下げることができるでしょう。実は、もうすでに段階的に実行されています。地域住民が受けるサービスは一見変わらないようで、実は少しずつ縮小されているのです。

アドバルーンはあげても増えない予算、行政や公務員を攻撃しつつ福祉に依存する両価性、福祉の理想が形にならず負荷ばかりかかる公務員の職場。建前はより良くなるようにと成果主義を掲げつつ、地盤はズブズブと沈下しているような気がします。

国のお金を公務員が上前をはねている。国民の福祉にあてられるお金が減らされている、と言っているのでしょう。お金ベースで言えば、そうかもしれません。しかし、視点を変えれば自分で自分の生活を支える福祉を縮小させていることに気づきます。まるで、自分のしっぽを食べるトンボのように。

例えば、普段何をしているんだと切り捨てた保健所はコロナウィルスが猛威をふるうようになり、たちまち業務過多で機能不全になりました。学校では子どもに関する案件が増えていますが、それに見合った人員は補充されません。国が悪い、国民が悪い、マスコミが悪いと批判しあいながら、公務員の待遇は悪化し、応えきれないような仕事が増えていくでしょう。自己選択、自己完結、自己責任が当たり前になる社会は、もうすぐそこまできています。

特別支援学校はどうなるか…?私は今のような形が「昔はこんなだった」と回想されるしかない日が来ると思っています。
「目の前に追われて学校や教員を叩きまくったけれど、今思えば、あれでも十分良かったんだなぁ。」と。

低い所に合わせようとして、足を引っ張ることばかり段取りするな。
退職後は公務員もクソもないので備えろ。

私は、明らかな尻すぼみ人生にならないよう、選択肢を増やしています。

学びたければハマりまくって学べ、できることは手あたり次第やってみる、うまくないものは捨てろ、これを実行することで、国民の福祉がトーンダウンするペースはいくらかマシになると思うのです。

勿論、福祉だけでなく、私とみなさんの人生も同様のことが言えると思います。