学校の文化 担任の先生より OT・PT・ST

594)特別支援学校 学校でモノづくりの材料を集める

先日、作業療法士のなかで、自作の福祉用具に関する情報を交換する機会がありました。
私も、物を使って生活や学習がより良くなるようにと工夫したことがあるので、それを発表してみました。

学校では…と言いながら、外部の人材として学校にきた理学療法士や作業療法士が実際に自助具などの作成にたずさわるとなると、どうやって材料を確保する?と気になりました。もし、作ったほうがいいものがあると気づいたら、どうするか?

①買ってきてあげる
②商品名や売っているところを紹介する
③材料を自分で買って、つくったものをあげる
④材料を自分で買って、つくったものについて材料費を請求する
⑤材料を学校で調達して、それを使って作ってきてしまう
⑥材料を学校で調達するところまでをやり、作り方を伝えて帰る

などなど、いろいろありそうです

【現実的な方法】
学校にきた作業療法士などは、学校について細かいことは分からないけれど、もっている専門性を発揮しなければ、教員に何か伝えてこなければ、と気負っている部分があると思います。しかし、専門性の発揮の仕方を間違えると、空回りして終わってしまうことがあり、それはとても勿体ないことです。

うまく学校の現場で生きた連携にするには、学校の文化を知ってアプローチするか、こんな形で落とし込んでいきたいけれど、どうすればいいか現場の先生と相談するしかありません。

①から⑥について考えた場合

①だと、「ありがとうございます」となり、うまく流れますが、次からどうしますか?が問題です。
②だと、予算の出どころが教員の自腹か、保護者に依頼して買ってもらうになります
③だと、①と同様ですが、作るプロセスを示すことができれば、教員への作り方指導にはなるでしょう。
④だと、②と同様になりますが、教員の自腹になる可能性が高くなり、好まれないでしょう。
⑤だと、教員が自分で材料を探し、工夫して作る方法を伝えることができるでしょう。
⑥だと、教員の時間を使うことになり、どこまで教員が賛同し、余力があり、力があるかにかかってきます。

【正解?】
私だと、まず⑤を考えます。

そのため、学校にきて、予定や児童生徒の実態を見ると同時に、学校の教材庫を一通り見せてもらうことをおすすめします。色紙があったり、ボンドがあったり、木切れがあったりするので、まず見た物を使って何かできないか考えたら良いと思います。教材庫のアレを使って作ってみるといえば、そうそう断られることはないでしょう。そうして、もしその場になかったとしても、次年度に向けて購入しておいてもらえたら、こんなことができますよと伝えて帰ればいいのです。

たとえ、その日にみた児童生徒に対して具体的な提案ができなかったとしても、専門性を活かす種をまいてくることはできます。変に力んで学校現場に押し売りをしてくるよりも、そっちのほうがずっといいと思います。