学校の文化 担任の先生より

656)特別支援学校 退職した先生の言葉

退職を迎える日に、何を言って去るのだろう
そんなことを考えながら、求人のサイトを眺めていました。
近年、定年退職までたどり着かないで、退職する先生が増えています。

【よくある退職の挨拶】
これまで、教員として〇年間勤めてきました。
こんなことがありました。
この学校では、こんなことがあり、印象に残っています。
春からは、こんなことをしていきます。
先生方も、身体に気をつけて、子どもたちと…と思っています。
ありがとうございました、お元気でお過ごしください。

こんな感じです。
短い時間のなかで、言いたいことは何だろう?と考えてこられたんだと思います。

【ある先生の退職の挨拶】
もう、何年前になるでしょうか、印象的な挨拶をされた先生がいました。どうも、その先生は、教員としてやっていくなかで矛盾や疑問を感じていて、退職する日になっても達成感に変わらなかったのでしょう。

「私は、教員としてやっていくなかで、何も得るものはなかった。」

当時は、教員としての仕事もよく分からない状態で、最後の日だから正直に話しているんだろうけども、空気読めてないなぁ…と思って聞いていました。周りの先生も、それに対して静かに聞いているだけでした。残る先生も、退職される先生と同じことを感じていたのかもしれません。自分の職場を否定することは建前と本音を含めて認めてしまう訳にはいかないでしょう。

気持ちは分かる、しかし、受けとめる訳にはいかない、そんな雰囲気だったと思います。
今、その先生は何を大事にしていたか、どうしていきたかったか知りたいと思っています。

お金をもらってやっている仕事だから、と言われればそれまでですが、大事な命の時間をお金と交換するだけの労働で片付けることは、とても寂しいことではないでしょうか。

なので、仕事をしながら何かにつながるものを得ることができたら、と思っています。