学校の文化

707)特別支援学校 働き方ではなく、働きがいはどうか

ヤフーの記事の中で、オープンワーク社長の大澤陽樹氏が、「働き方改革より、働きがい改革を続けていく必要がある」と述べていました。

この会社が行った調査によると、「転職を考え始めたきっかけ」として「自分がやりたい事・実現したいことができる職場で働きたいから」が23~26歳で突出していたそうです。そうして、「今の若い世代は自ら描いたキャリアパスに向けて早く成長したいという意欲が強く、それをかなえる成長環境が得られない場合に転職を考えたり、環境を変えたりすることが考えられる」そうです。

さて、学校は人材育成を考えるうえで、どんな環境だと言えるでしょうか?まず、数年は業務が多く、無我夢中で仕事の流れをつかむこと、優先順位をつけることを覚えるでしょう。子どもの指導には集団生活を成立させるために必要な指導方法論が学べるでしょう。しかし、それらが果たして成熟していくスキルだろうかといえば、必ずしもそうではない気がします。

【公務員の仕事について】
本文では、厚生労働省や総務省の方の意見を列挙していました。「事務的な能力(文書作成能力、調整能力、段取り力、説明力)は身につくと考える。しかし専門性というと、法律を読む能力はつくかもしれないが、それ以外で他の企業でも活かせる能力は身につかないと思われる。」、「研修は各種容易されているものの、具体的な仕事をすることは少ないので活きる機会は少ない。また、キャリアとしても、公務員共通であるが、どの部署に配属されるか、もしくはどの府省に行くかわからず、全体を通したキャリア形成という考えはあまりなく、配属になった先で淡々と処理していくイメージ」とのことでした。

事務処理について、その様式や手順は業界独自のものであり、他の業種などで使えるかというと、そうではない。知識や経験を積み重ねようにも、異動などでリセットされることが続けば、その仕事のスペシャリストであるといえる日はこないと悟ることになるでしょう。いつか、ただの歯車ではないかと気づいてしまうのでしょうか…?

【一方】
その一方で、「インターネット業界は研修制度やキャリア面談が充実していたり、若手にもチャンスを与える文化があったりと、成長を促し、実感しやすい環境がありそうだ」、とのことで、「キャリアに悩んだりした際に上長・同僚に率直に相談出来る文化がある。その際、ただのガス抜きだけではなく、次のチャレンジの打診や現状の部署で出来る違う取り組みなどをセットで打診してくれる。前向きなチャレンジであれば基本的に賞賛を惜しまない。」そうです。

いやいや、学校の教員にもそれはあるぞという声はありますが、組織的対応が基本にあるので、与えられた仕事以上のことをするなら自主的な活動として上乗せすればいい、あなたの仕事によって組織に対してどんな貢献になりますか?ということで、労働の上積みになるだけのボランティア労働にしかならず、個人の価値を認めて仕事をさせる土壌ではないと思われました。また、決められた仕事をよりよく行っても、「与えられたことをちゃんとやった」にしかならず、ポジティブな人事評価につながらないケースが多々ありました。

これらが、新しいことを吸収できない組織だと諦めて、決められたことをしていればいいと思うか、失望して退出したいと思うことにつながっていると思われました。