学校の文化 担任の先生より

713)特別支援学校 教材準備は感情労働?

職員室にいて、向かいの席にいる先生が何をしているのか見ていると、たぶん、個別課題の教材だと思うのですが、カラー印刷の教材と、それを入れる袋にもキャラクターの絵が貼られていました。

【教材準備】
毎日の教材準備にどれくらいの時間をかけているでしょうか?

アイディアをまとめる時間、材料を揃える時間、人数分組み立てる時間など、そのへんは調理のような展開で、どこかを合理化するには道具(コストを含む)、知識、技術を総動員する必要があります。

料理だと一定のパターンが習熟されることで時間短縮も技術も改善するでしょう。
しかし、教員の授業になると、まったく同じ授業は二度とできないのです。

教員体制、子どもの出欠、慣れ、飽きる、習熟度、これらに左右されます。

【向かいの先生の教材準備】
向かいの先生の教材準備について、簡単に分析してみます。

・内容からして、プリント学習ができる力はあるのでしょう。
・自分で見て、これが個別用のプリントだと判断できるのでしょう。

では、キャラクターの絵をつけ、カラー印刷をしたのはなぜでしょう?(合理化するなら余計なものをつけず、入れ物に名前だけ書けば良いはず)

何を狙っているかは、本人の中にあると思いますが、この自主課題は自分のものという所属、これは自主課題のファイルだというシンボル、キャラクターを見て気持ちがひきつけられる動機づけなど、挙げたらいろいろありそうです。

これらが、「指導に関する質」だと思われます。

これらの質は、ただつければ良いというものではなく、自主的に分かってできるギリギリの線を見極めて、手前で止めて頑張らせてみるか、少し多くの支援をして継続できるものを作るか、などのかけひきを伴うものだと思っています。(飾れば手をかけた満足感は得られますが、支援がないと動かない子ができるかもしれません)

【夏休み】
この先生は、夏休み期間だからこそ、勤務時間内に教材の準備を考えながらすすめることができます。しかし、いざ学期が始まり、授業や分掌、部内係、学級経営などが一気に降りかかってくると、教材準備にかけられる時間は途端に制限されます。

そんなときは、時短でできる課題にかえるか、休憩時間をつぶすか、優先順位が下がるので質を求めることを止めるか、自分の教育観を守るために定時を過ぎても仕事をするか(持ち帰りも含め)、などになります。ちなみに、私は時間がないと分かったら、時短で準備できる課題に切り替えます。理由は、自分の時間を犠牲にし始めたらきりがないこと、目標が同じなら他の方法で指導しても良いと思っているからです。(ただ、代替え案がでない場合は、自分の時間を犠牲にしています)