担任の先生より

762)特別支援学校 特別支援学校で、進路を見据える(前半)

日本では、小学校・中学校という義務教育段階から高等学校や大学、専門学校などの学びの場を経て、就職することが一般的だと思います。

特別支援学校でも義務教育段階があり、破格の50円位(ほぼ印刷代)の受験費用を出して受験する高等部があり、そのあとは進学、就職、生活介護事業所、自宅などに進んでいきます。

高等部の受験費用は初めて聞いたときビックリしました。これだと、印刷代どころか事務処理するお金やマンパワーのほうが高額になりそう。都道府県ごとに違うかもしれませんが、そんなに大差ないんじゃないかなと思います。

【どうやって進路先を決めるか】
特別支援学校では、生活介護事業所を見学する機会が夏休み期間などに設定され、教職員や保護者が見に行っています。高等部の生徒について、どれくらいの職場に行くのがいいのか確かめる場が設定されています。

それが、現場実習です。

実習というと、どうもリハビリの臨床実習を思いだしてしんどくなるのですが、これは子どもがやる分なので、気を取り直して続けます。実習は合計5回くらいを受けて、行くたびに、「この子にあっているのかなぁ」、「この子が通えるのはどんな立地、交通手段のところなんだろう?」、「この子の課題はどんなことだろう?」

と、リアルな話がバンバンでます。

【現場実習だけでなく、いろんな角度から見てみる】
進路は高等部から、ではなくて小学部の頃から情報収集をしたり、意図して進路につながるところと関連のあるデイに通わせている保護者もいたりします。

見学会、事業所の動画、ホームページ、お客さんとして利用して偵察、通っている方やその保護者への聞き取り、保護者などのネットワークを活用して情報収集など、枝葉を広げて準備されるといいと思います。

「この子が、この職場に行くことになったらどうなるか」

「保護者や教員が付き添わなくても、通えるか、参加できるか」

このあたりを客観的な目で見ることが大事です。以前、「ここでは排せつや食事の介助はないので、自分でできる方が募集の対象になります」という事業所さんがいて、そこに行った保護者とお子さんの話なのですが、保護者が神の手を発動させて、トイレ介助。とぼけはしましたが、すぐにバレてしまいました。

【実習場所の選択】
たとえば、時間割にこだわりがある生徒さんの場合、スケジュールに変動が少なく、同じようなリズムで過ごせるところが妥当だと判断される傾向があります。

変更のたびにパニックになるような生徒さんだと、イベントや屋外活動が不定期にあるところだと、通えなくなってしまうかもしれません。

あらかじめ、子どもの実態がクリアに把握されていたら、それに合わせていきます。しかし、保護者が「できますよ」、「そこに行かせたい」と頑として聞かない場合、難しいことを認識して頂くために、あえて行って頂くことがあります。

【実習や職場などで、チェックするところ】
送迎サービスの有無、送迎の時間、職場の雰囲気は静かかにぎやかか、仕事中心かレクリエーション中心か、仕事などの内容は、仕事の時間は、休憩時間の幅やタイミング、人数はどれくらいか、職場の明るさ(明度)などを確認して、その子にマッチするか確認します。

(前半は以上です。後半に続きます)