学校の文化 担任の先生より

783)特別支援学校 授業づくりをチームで

特別支援学校にも時間割があり、それぞれの授業について、MT(メインティーチャー)が設定されます。

朝の運動、生活単元学習、国語、算数(数学)、美術(図画工作)、体育、などです。6人の教員がいたら、それぞれ過不足がないよう配分されます。

例えば

国語=A先生とF先生
算数=B先生とF先生
生活単元学習=B先生とC先生
体育=D先生
音楽=E先生
などです。

もっと授業分担を細かくすると、1人1担当がもっと増えると思います。
そうなると、困ったことがでてきます。

【困ったこと】
6人の先生のうち、全てが昨年度以前からその学校にいた人で、全てがその学年の児童生徒のことを把握しているとは限りません。そんなフルメンバーで新年度を迎えることは、ほぼありません。

「あなたは、今年度は体育を担当してね」

新しい学校、新しい顔ぶれ、そんな中にいて、いきなり責任をもって、前にでてリードするのは難しいと思いませんか?

「教育実習で授業はやったでしょ」
「教員免許があるんだから」
「みんなそうやって経験を積んできた」
「みんな一つずつ担当しているんだから、誰かに負担をかけられないでしょ」

そんな風に言われると、「できない」と思っても言い出しにくいと思います。

授業について、自信の有無はともかく、「できる」と思えるにはいくつかの条件があるように思います。

・そもそも、その授業はどんなことをするのか分かる
・子どもは、どんなことができて、どこは難しいか把握できている
・子どもや教員を含めた、妥当な教室内の配置
・子どもにつく、サブティーチャーが信頼できるか(何があってもフォローできる)
・その学校の行事などにからめる内容はあるのかどうか
・教材はどこにあるものを使うか
・その学年や学習集団を指導するときの留意事項や禁忌(きんき)

これくらいの条件が揃っていたら、「やれるかな」と思えるのではないでしょうか。

【更に困ったこと】
1年間、その学年で過ごすことで、年度ごとの学びの見通しがもてるようになります。「この時期には、〇〇の行事があるので、〇月くらいから準備すればいいよね」といったことが分かるようになります。

どれだけ経験を積んでも、新しいところで仕事をするのは初任の先生であろうが、なかろうが、結構しんどいことなのです。

更に困ったことは、次の年に起こります。細かく授業を分担し、なんとか年度を終えたところで、6人の教員のうち、3人が異動でいなくなることが判明しました。

例えば、A、B、E先生が抜けるとすると、「国語算数はなんとかなりそうだけど、音楽はどうする?」となります。引継ぎ資料が充実していたり、指導の経過の記録があれば、なんとかなりますが、やっぱり文章だけでは伝わらないことって結構あるんですよね…。

【対応】
前年度にどうやっていたか、異動してしまった先生に逐一聞くことは、余程でない限りしないほうがいいと思います。なぜかというと、異動した先生も行った先で忙しくしているので負担をかけないほうがいいというのと、新年度の教員と子どもの集団の指導を、新年度の全容を見ていない先生が助言するのは、なかなかやりにくいものだからです。

そのため、できれば担当は前年度経験した人と、新しくきた人の複数をセットにして担当を作り、協力して授業づくりをしつつ、次年度に向けた学年解体リスクに備える、というのはどうでしょうか?