担任の先生より

790)特別支援学校 図工・美術の授業

今日、図工の時間がありました。

季節にかかわる作品をつくる、保護者面談に向けて作品を見せる、などがあります。

この学校では、グループに分かれて作品づくりをすることが恒例になっているようです。

【集団の規模】
全員が美術室などに集まり、美術や図工担当の教員が前に立って授業をする学校もあれば、教員3人と児童生徒8人くらいのグループを作って授業をする学校もあります。

全員集まる授業だと、準備は人数分揃え、手順は一斉に説明します。指導体制も教員の人数が揃うので、ローテーションやチェンジができます。しかし、それだと前に出て仕切る先生の負担や力量が問われますし、その他の先生は前に出ないだけに、当事者意識が欠けがちです。

グループに集まる授業だと、子どもの能力別や早さ別に分けられるので、待つ子どもと時間をかける子どもの差が小さくなります。工程の進め方も、少人数で足並みを合わせるほうが「待ち」が少なくて済みます。ただ、トラブルが起こったときの対応が若干遅くなること、グループごとの先生の力量と当事者意識が必要になります。

【今日の授業】
とにかく、工程をシンプルにして、一工程を順番に並べることに徹しました。

子どもの器用さや危険回避、危険を予見する能力をふまえ、どんな道具を使う(使わない)か判断します。私は迷うようなら、ハサミなどは使いません。

美術や図工の時間は、集団でやりつつも個別に対応することも多くなるので、1人を指導している間に、もう1人がカッターで指を切るなんてことは想定範囲内です。指導中であっても、道具や材料がごちゃごちゃになって、刃物を見失うこともあります。子どもはシングルタスクでも、教員は常にマルチタスクに追われているので、ミスや混乱があっても、安全に軌道修正できるよう作業の精選と構造化を行います。

Aさん、Bさん、Cさんと一工程すすめたら、Aさん、Bさん、Cさんの二工程目にうつります。

待つ時間を短くするだけでなく、教員自身が進捗状況を把握しやすくなる、終わった道具や材料を片付けながら進められる、といった利点があるからです。

そうこうしているうちに、待ちきれなくなった、飽きてきた、などの理由で感覚遊びや立ち歩きがでてきました。

そんなときは、気分転換を促しながら、なんとかその場にいてくれるよう言葉をかけたり、かかわったりします。

こんな感じで、周囲の環境、目の前の子供、道具や材料、いろいろなものに気を配りながら、授業を終えました。普通にやっているような感じですが、外から見えている以上に疲れるものです。

あれこれやっていますが、落としているものはないか、間違いはないか、やりすぎていることはないか、たまーにICFモデルを頭に描いて修正しています。