学校の文化 担任の先生より

792)特別支援学校 授業づくりを代行する

授業づくりをする以前に、「その教科はあなたの担当ね」と一人ひとり割り当てられていることに疑問を抱いたことがあります。

その教科について経験があったり、在籍している子どもについて知っていたり、その学校にあるモノ(教材や道具)について知っていたりすると、経験や知識のアドバンテージがあるので、「言われたことをやっていればいい」状態ができるので、楽をしようと思えばできます(授業以外の仕事が多かったり、責任が重ければ、そうでもないとやれないところがありますが)。

一方、それらのアドバンテージがなければ、授業の案をひねり出すこと、準備すること、周知すること、授業を運営することについて、過剰な負担と不安を抱えることになります。初任の先生などはそうじゃないでしょうか。

まだよく分からないけれど、自分らしい授業がやりたい
うまくいかなくて停滞したらどうしよう
時間配分がうまくいかなくて、早く終わったり、時間オーバーしたらどうしよう
授業の途中で、必要な道具がないことに気づいたときどうしよう
子どもの実態と乖離したものを出して、授業が停滞しないか

いろいろな思いがあると思います。

不安がっていても、何も解決しません。
担当する授業は、その日になれば必ずやってきます。
そうして、準備ができていようといまいと、子どもの前に立たなければならないのです。

【スモールステップ】
異動してきたばかりの先生、初任の先生に指導方法のおしつけをするつもりはないのですが、今いるところで、それなりにうまくできた成功体験をもって欲しい、授業の流れとロジックとエビデンスを少しずつ蓄積して欲しいと思い、授業づくり(授業準備)の代行をしてみました。

どんな授業をする
その時間に大事にしたいことはコレ
何を、どのような順番にやっていくか
何をして始まり、何をもって終わりとするか
一つの活動ごとにおさえるポイントと留意点
想定できる範囲で、エラーが起こったときの対応

これらを全部作って、初任の先生に説明し、実際の授業でMT(メインティーチャー)としてやってもらいました。

失敗しても、自分が作ったものではないので、自分を責めなくてすみます。順を追ってやれば大丈夫という保証がついています。準備に時間をかけなくてよく、提案されたものの意味を把握することに時間とエネルギーを使います。

やっていくうちに、授業の作り方や、子どもの実態が見えてきます。そうなれば、自分でやりたいことや言いたいことを盛り込んだり、一部入れ替えてみたりと、お仕着せの授業が自分の授業に変化していったらいいと思い、そうしてみました。

【指導するうえで大事なこと】
いろいろな授業を見たり、やったりしてきましたが、結局必要なものは、「自分の得意なネタやパターンをもつこと」、「いろいろな指導(授業)の場面を見て、自分で再現できること」、「子どもや大人、学習環境を把握していく力」の3つではないかと思います。

知識と経験と創造力、これが強くて柔軟な授業や指導を作ると思います。