担任の先生より

796)特別支援学校 この学級、自分なら担当したくないな

先回、重度重複学級について触れました。そのなかで、保護者が「重度重複学級なんて嫌だ」という意見をもつことがある、という話をしました。今回、学習能力的なミスマッチが大きい学級を担当するのは大変だよ、という話をします。

保護者の思いや子どもへの捉え方はさておき、「学校生活の流れにのることができるか」「介助や個別の支援の量はどれくらいか」についてアセスメントをすると、たまに「この子は本当に通常学級でやっていけるのか?」と思える児童生徒に出会うことがあります。

例えばですが、動きはゆっくりめ、言葉かけや介助が常時必要な児童生徒がいたとすると、担任になった先生はそこを基点にして、他の子どもについてくるよう促すと思います。

動きの早い子が遊出するのを制したい(でも、できない)、タイミングよく個別の指導を入れたいと思っても身動きがとれない、という場面が多くなるのかなと思います。

【よくある保護者の意向】
もっとできるはずだから、どんどん指導して欲しい。(停滞せずに進めてほしい)

動きはゆっくりでも丁寧にやればできる子だから、指導して欲しい。(うちの子のペースに合わせて)

担任の先生は、どちらの言い分も分かるけれど両立できないジレンマに陥ってしまうと思います。かといって、「動きがゆっくりで、介助量が多いから早く進めないんです」、「他の子どもは、なかなか待てませんから」と、一方を槍玉にあげる訳にもいきません。

そんなとき、「学級の子どもたちが落ち着いて、着実に学習できるよう指導を進めて参ります。」くらいしか言えません。子どものペースを尊重しながら指導を進めたいのに、それができないジレンマ…。

ちょうど、「ゆっくり歩きなさいと言われているサラブレッド」と「もっと早く走れないのかと言われている荷物を運ぶ馬」を共存させる、みたいな感じです。