学校の文化 担任の先生より OT・PT・ST

806)特別支援学校 ショートカット

授業参観がありました。

体育の授業でリレーをしたのですが、それにあたって準備や配慮することが満載でした。

【事前】
チーム分け(色別に分ける)

チームの面々をみて、チームごとに何人の教職員をつけるか

使用教室のなかで、どの位置や向きで待機し、どの方向で、どれくらい走るか

走るとき、どの子に教員が並走する必要があるか

待機する子どもの動きの誘導

走り終わった子どもの誘導

これくらいの確認が行われていれば、それなりに授業は進みます。そのなかで、子どもごとに目標や課題を設定すれば良いと思われます。

【参観当日】
これから走る子の準備、待機している子どもの誘導と、走り終わった子どもの誘導で教員が追いまくられる展開です。とにかく順番に走らせることで精いっぱい、ここに個別の指導を…なんてことは無理だと思いました。

そんななか、一人がコース内に入ってショートカット、最短距離でバトンパスを試みました。

その子は、MTの手でショートカットした場所まで連れ戻され、そこから走ることになりました。

【その後】
}コースに沿って走り、コースアウトしないことは基本ルールです。

移動について、すごく時間がかかるから特別な配慮をした、という訳ではありません。
走るなかで引いたクジで、特例ルールが発動された!という訳でもありません。

その子は普段から自分の判断で行動することがあり、それが集団行動の逸脱につながっています。このことから、指導としてMTがとった「連れ戻す」は妥当な判断だったと思います。

しかし、その教員はその子の担任に、「それについて保護者は何か言っていませんでしたか?」と確認をしていました。

考えられること
「学校では、あのように振る舞うことがあるんですね、家でも注意します」
「しっかり指導してくださって、ありがとうございます」

みたいなことだけでなく

「大勢の前で間違いを修正されて、恥ずかしい思いをしました。」
「うちの子だけルールが守れなかったので残念な気持ちです」
「事前に間違えないように配慮してくれなかった」

といったコメントがくるかもしれません。

指導の場面では、ポジティブにもネガティブにもとれる状況は必ずあり、それが時としてクレームや事故、誤解につながることがあります。

近年、保護者や子どもから不快だったという言葉がでると、どれだけ子どもを良い方向に向ける指導であっても不適切、配慮に欠けるといった批判を担任が受けることになっています。

医療分野でも、その傾向はありますが、そこは医師の指示のもと、白衣の権威、義務ではなく契約関係であることから、そこまで批判されることはないと思います。(多少あっても、学校の比ではない)

いくらエビデンスがあっても、必要な治療であっても、感情論に勝てないところでは専門性よりサービスが重視される場合が多いです。

学校は、やるべきことをやっていない
教員は専門性がなく、おかしなことばかりをやっている

そういった批判をぶつける前に、「どんな事情で、この指導形態や指導内容になっているのか」と考えて対応することが学校現場の改善につながります。