肢体不自由の特別支援学校で二人介助をすることがありますが、どこを支えるか、二人でどこを分担するかと考えていました。
というのも、最近支援(介助)するとき、1人で介助するなら、何に留意して、どんなタイミングで、どこを支えるか考えるのですが、一人だと感覚的に状態を把握して、対応してしまうので、いざ他の人に伝えるとなると、「えーっとね、そこは…」と考えてしまいます。
うまく対応していると思うけれど、どこがポイントなのかはっきりしないと、指導の全体がぼやけてしまうし、言葉が多くなってしまいます。優先順位がつけられないし、大事なところを伝え忘れてしまうこともでてきます。
【誰と組むのか】
介助者について、大きい人と小柄な人、背が高い人と比較的低い人、筋力がある人と比較的筋力がでない人があるので、それぞれが対象者のどこにつくか考える必要があります。
例えば、背の高さに違いがあるなら、背が高い方が上体に入ることで対象者の頭部が足より低くなってしまうことを防ぐことができます。しかし、これまでのヒヤリハットも含めて考えると、それでいいんだろうか?と思うことがあります。
背が高い人が対象者の後方について両方のわきの下(腋下)を抱え、もう一人が対象者の両ひざを抱える、というのがよくあるパターンです。そうなると、上体を支える介助者に負担と責任が重くなると思います。
対象者がいきなり両手をあげて(バンザイして)、脇の下からすりぬけそうになったらどうなるでしょう?両膝を抱えている人は床に向けて落下する頭部と上体をとっさに守れるでしょうか?おそらく難しいと思います。
それなら、上体をサポートする人は頭を守るための位置取りに集中して、下方をかかえる人は両膝だけでなく、お姫様だっこのように腰と両膝下を抱えるようにすれば、どちらかが対象者を取り落としてしまっても、もう一方の人が頭を守ることができると思います。
とはいえ、いくらうまく介助できたとしても、床に敷いたマットやベッドの上に下りて頂くときに、介助者の体の置き場所がないと、安全に支援することが難しくなります。このような場合、その環境に応じた介助の方法を考案するか、ベッドなどの居室環境そのものを変更して、事故が起きにくいよう工夫します。