担任の先生より

949)特別支援学校 キャッシュレス?現金は必要です

キャッシュレスになって、便利だと感じることが増えました。

銀行口座の残高さえ把握しておけば、カード払いで不意な出費に対応できますし、交通系ICカードを使えば小銭をじゃらじゃら出してきて、たまに手元から落としてパニくることもないんです。

では、現金がなくてもいいか?と言えば、私は「なくなるのは困る」という意見をもっています。特別支援教育にかかわるようになって、ということもありますし、自分がどんどん年老いていくことを考えると、キャッシュレスの状態で資産管理するのは難しいかも、と考えています。

【数字の概念】
1や10などの数字が分かるようになるまでに、お風呂で10まで数える、お菓子の数を数える、家族の人数を言える、年齢を言える(毎年1ずつ増えていく)など、耳で覚えて、具体物と突き合わせ、足したり引いたりする操作をすることで、数字の大小、増減、残高などが把握できるようになるんじゃないかなと。

このようなプロセスを経て、生活の中でお金を管理する基礎基本を学んだことを忘れて、いきなり数字の並びだけのほうがいいとか、どんだけ自分勝手なんだと思ってしまいます。

学校においても、お金を使うことを学習する機会があります。移動の時にICカードを使ってみる買い物学習で画材を買ってくる、などです。

硬貨などを使った買い物は、準備されたお金を出せば品物と交換できることを知るのがメインで、所持しているお金が足りないなんて思わない子も多いでしょうから、等価交換が成立することを体験するだけかもしれません。また、交通系ICカードは、タッチすれば通過(乗車・下車)できることを学ぶだけで、どれだけの残高がカードに残っているか知らないし、そもそもチャージしたお金を使っているなんて、つながっていない子が多いんじゃないかなと思います。

実際のお金を使わないと、消費することばかりを学習して、管理する力はなかなか育たないぞと思います。健常の大人であっても、用途別に現金を封筒に入れて、予算の範囲内で生活しようとする人もいます。

現金で学べることは、手元の現物(お金)を見ながら、その範囲でおさめる自己抑制や計画性、優先順位や取捨選択できることです。数字の羅列だと実感が伴わなくなって、クレジットカードを使った買い物をし過ぎる、身の丈に合わない投資をする、などのリスクが増大するのではと懸念しています。

【加齢に伴い…】
年齢とともに、目が見えにくくなったり、判断力や注意力が低下して、数字のケタを間違えてしまわないかと心配になっています。10万と100万を見間違えることもあるかもしれませんが、紙幣ならば10枚は薄くて、100枚は一つの札束なので、違いに気づかないリスクはグッと下がるのではないでしょうか。