学校の文化 担任の先生より

952)特別支援学校 採用辞退

鳥取県で、令和5年に実施された教員採用試験の合格者のうち、半数以上が採用を辞退していたとのこと。

採用予定者 270人
応募 1378人
合格 327人
採用(補欠含む) 161人
辞退者 174名

鳥取県といえば地方(いわゆる田舎)で、地元志向の志望者が狭き門をめぐってしのぎを削るイメージがありました。これはたぶん、30年とか40年前の考え方だと思いますが、本当に時代は変わっていると改めて思い知らされました。

【感じたこと】
この教員採用試験の結果を受けて、いろいろと思ったことがあります。

まず、応募者は必ず教員に、必ず鳥取県に、という訳でなく進路の選択肢のひとつ、就職試験のひとつと考えていて、自分の目的や価値観に合う選択をしているのではと思われました。

自分の能力や価値観を組織に沿わせる人材育成から、個々の価値の尊重やキャリア教育の成果でしょう、「主体性をもち、自ら学び、自ら考える」力を若者が持ったことで、所属することや賃金をもらうために頑張ることだけでなく、自分には何ができて、何がしたいかを考えて行動できるようになったのかなと思います。

【新人の先生の姿】
個別の案件はさておき、昨今の新人の先生を見ていて感じるのは

「情報処理能力が高い」

状況をふまえて、何を準備するか、どこにアプローチすればいいか考えること、与えられた情報をもとにどのようなものを生み出せばいいか考えること、これらはひと昔前の教員と随分違います。

先輩教員から仕事を聞いて、やり方を聞いて、自分で物事を作り出すのはキャリアも数年たってから、みたいな人が多かったのですが、今の新人の先生は、手持ちのカードを使って新しい文化を生み出すことに長けています。(ただ、それだけに組織内にある仕事をどんどん投げられてしまうので、この人はいつか潰れたりしないよね…と心配になることがあります。)

ただ、学校生活は感情や経験則、科学が入り乱れる場所なので、考えが単純すぎたり、浅かったりすると太刀打ちできないことや、答えのでないことが起こってきます。(そんなとき、経験や応用が必要)

【忠実で受け身】
どんどん前進しようとする人とは反対に、謙虚で前に出ない、言われたことはする、自分の限界を超えることはしない先生も増えてきました。おそらく、自分が程よく走ることができるペースが分かっていて、それを越えないようにしているんだと思います。

キャパを越えそうになったら休む
頑なに責任ある仕事を担当することから逃げる
自分から仕事をつくらない
指示を聞いて、どこならできると主張する

この手の人がいると、同じ部署にいる人の負担が一気に増えます。のらりくらりと何年か過ごし、いよいよ中堅的な仕事が振られそうになると、「教えてくれなかった」「やったことがないので分かりません」と逆ギレする、「誰かを代わりに押し出す」「気配を消す」はよくある話です。そのままお荷物的な存在のまま居座るか、居づらくなって退職するか…です。どの仕事もそうですが、能力を高めないで長年いるのは楽ではありません。

【なんにせよ、厳しいことは確か】
どこまで仕事をするか、「子どものため」「保護者の期待」などいろいろありますが、質的に、量的に基準を決めないとエンドレスにはまりこんでいきます。忖度や雰囲気にのまれ過ぎると、自分が壊れてしまいます。

効率化する、妥協する、分担や協力する、上役に相談して妥協や調整をさせる、これらが必要だと思います。