学会や研修会を実施した後、紙かオンラインでアンケートをとると思います。
日程や開始時間、時間的な尺の長さ、場所、テーマ、内容、質問、今後聞いてみたいこと、などについて記載してもらい、反省としてまとめ、今後に生かしていきます。
先日、学校以外で行われた某研修会では、アンケートを見て、それこそ「この研修会はどれほどの意味があるのか」、「次年度もやるかどうか」、「よりよい運営をするために、どんなことが必要だったか」、などについても話し合われました。自分たちがやっていることに意味や価値があるのか、本来の目的が達成されてきた
かのように、主語は自分(たち)が、誰に、何を問いかけるものか問い直す機会になりました。
【学校でとられるアンケート】
学校でとられるアンケートには、校内の教職員向け、保護者向け、児童生徒向け、保護者と地域の方向け、のものがあると思います。
保護者や地域に向けては、このようにやってきましたが、いいでしょうか、御意見があれば改善や工夫などをします、という結果や成果の確認とともに、満足してもらえるまで取り組むといった宿命(十字架?)になったりもします。
教育委員会等に確認をとって変更の可否が問えるもの、またはルールとして確立されているものならば、「アンケートの結果、このようなことも御指摘頂きましたが、〇〇のような事情もあり、今年度同様の流れで実施させて頂きます。」などと言えるのですが、身内の工夫などを問われるものだと、学校特有の「何とか工夫してできないか?」のキーワードが出てきます。
管理職等のスタンスも重要です。「それは何とか工夫して実施してください」となれば、他のことや教員自身の時間や労力を使って実施する方向で動いていきますし、「それは、働き方改革に反するし、今以上の仕事をつくると、もっと帰れなくなるだろうから、そこまでやらなくていいです」と言われれば実施されません。
【縮小できない理由】
・自分の専門性を発揮することでなく、納税者やサービスを提供する対象の満足を引き出すことが仕事になってきている。(逆に、内容が薄くてもクレームが出ず、無難に過ぎれば良しとなることも)
・授業準備や専門性の向上よりも、全体にかかわるものや外向きのサービスが優先される。
・実施そのものが負担であったり、次年度にタスクが増加してしまったりしても、年に1回~数回のことだし、自分が異動して出て行ってしまえば、やるのは自分じゃない。反対して嫌われるくらいなら黙っておこうという心理が働く。
・仕事を時間内におさめる、人員の定数内でできることを考えるのではなく、期待やニードに応えることが目的になっているため、過剰サービスになりやすい。
このような事情があるため、昔、夏祭りの後のアンケートで、「充分な配慮ができないため、担当の増員をお願いしたい」という校内アンケートがきたとき、真向から反対させて頂きました。
「働き方改革に反する」
「初任の先生に浴衣を着させて、スタッフをさせるのが通例になっていたこと」
「勤務日でない休みの日にボランティアをさせることを、組織的に決定すべきでない」
「本来は縮小すべきもの」
やって期待に応えた、より楽しいものになった、充実感があった、はいいのですが、日々の仕事は過密でヘトヘトになるのに、休日も役割分担されていて、出なければならないとかはちょっと…。これが、日常の仕事を丁寧に進められて、専門性が十分に発揮できているようなら、たまには違う視点で活動に参加してみてもいいだろう、みたいに思えるかもしれません。
その後、夏祭りのボリュームアップは無かったようですが、コロナの流行もあって中止されました。近年、その学校の夏祭りがどうなったかは分かりません。
【給食試食会】
どんな給食を子どもたちが食べているか、保護者も食べてみましょうという機会になります。食数に限りがあるので、抽選になります。このアンケートを作成しました。
すでに、該当の行事や企画に関するアンケートの原本があれば、それを今年用として日付を変えて印刷してしまうのですが、一からなので、じっくり考えることができました。
まず、実施案に目を通し、次に他校の試食会アンケートの書式がどうなっているか、4~5校分ググって項目を確認しました。そこで分かったことは以下のようなものでした。
・実施の日時は、年度始めに近いほうがいいのは分かっている。それを秋以降にするのは食材の調達と、調理機能のキャパオーバーにならないことを考慮した結果。⇒アンケートをとっても、変えられないものは聞かない。
・アンケートを通して、家庭の食事内容はどうか考えてみてもらう目的もある。
・味付けについて聞くことで、昨今の家庭の味付けの傾向を捉えることができる。
給食は栄養教諭や栄養士が原材料の調達、予算調整と執行、栄養バランス、食形態の配慮などを計算してやっているので、あれもこれもとタスクを増やすことは難しいと思います(余程のことなら、対応しますが)。それをあえて聞くことで「どうする?」を増やすことは得策でないと考えました。
【作ってみて、思ったこと】
学校ではアンケートをとることで、「聞いたことは対応しなくてはならない」と思うようです。そのため、あえて聞いたがために現場を更に多忙化・実施困難なものにすることは避けたい。
改善策や変化をブロックするばかりでなく、その企画や行事はそもそもどんな目的で行われているものか理解することが大事。目的をしっかり把握しておくことで、あれもこれもと付け足しが入らないようにすることができる。
その行事の参加者や実施者の人数や、実施される仕事の量などを把握する。苦しいまでにタスクが詰め込まれているならば軽減することを軽減すべきだし、目的からずれてきているものは人的・時間的資源を確認したうえで実施案から再検討してもいいと思います。
最近、言われてする仕事が増え、指示がでた仕事を何も考えずにこなすことが当たり前のように思ってきたフシがあります。考えない方が気が楽なところはありますが、ここは!というときは頭を使わなければいけないと思いました。