担任の先生より OT・PT・ST

971)特別支援学校 作業療法の学会 テストバッテリー(いろんな検査)

学会でのケース発表を見ていて、しばらく見ない間に、聞いたことがない検査、いろいろな検査を使い分けるようになったんだと感心してしまいました。

【バッテリーの例】
JCS
MMSE-J
BIT
Br stage
感覚
FIM

などなど

ずっと前から存在するもの、メジャーなものもありますが、総じてみると知らないものも多いなと感じました。それだけ時流から取り残されていたんだと思います。

今回、ウマいなと思ったのは、複数の検査の結果を列挙して、この観点については〇点、この観点については△点、総じてみれば、どんなケースか全体像を描けますよねという列挙の仕方をしていたことです。

このほうが発表するときにシンプルかつ効率的に表示できると思いました。

例えば、「きゅうり」が患者さんだとして、患者さんの状態を説明するために、「長さ」「重さ」「色」「収穫時期」「栄養素」「水分含有量」「収穫場所」などを列挙するようなものです。

文章を書き、口語的に説明するより見やすいです。

ただ、このような提示の仕方をするならば、検査の数があればいいという訳でなく、似た検査を重複しない、不必要なものは実施しないといった取捨選択が必要になるので、そのへんが難しいんだろうなと思いました。

【学校における検査バッテリーの活用】
複数の学校に在籍してきましたが、学校ごとに使用する検査バッテリーが異なります。

使用される検査は学校ごとに1つ、「新版K式」、「太田ステージ」のようなものです。このような検査は、おおまかに捉える、ある部分を捉える、というもので、1人ひとりの全容を説明するものにはならないことが多いです。

多くの場合、特定の検査を在校生全員行います。個別の特性を知ることだけでなく、集団として子どもを捉えるときに必要な「(個々の)違いを把握する」、「格差の小さいグループを形成する」ための客観的な参考資料を得るためでもあります。

リハと学校が異なる点について、リハでは対象者に関する評価をもとに指導目標をたて、治療する、(See⇒Plan⇒Do)がメジャーな流れだと思います。

学校では、登校してすぐ集団の指導がスタートし、下校まで時間を過ごさなければならないので、準備的なSeeとPlanとDoを経て、Do⇒Seeになりがちです。

学校生活をデザインするために、やや見切り発車でやってみて、それを少しずつ調整していきます。その後、一度流れができて走り始めてしまったら、隣のレーンに移行したり、速度を上げ下げしたりすることが難しくなってきます。

教員と子どもの関係だけでなく、同じ学年の教員も一緒に指導するので、指導方針を玉虫色的に変えにくいというのもあります。

検査は子どもの特性をおおまかにとらえ、学校での生活に生かすことに重きを置いています。ただ、できるならば全体を捉えたほうが良いです。実施した検査や日常の観察や活動から分かる課題が、他の検査から浮彫になるかもしれません。そのこともあって、普段観ていない専門家などの客観的な評価が大事なのです(指摘された点について、指導するかどうかは別にして)。