担任の先生より

979)特別支援学校 不登校児童生徒に関するニュース

日本教育新聞より引用

「不登校児童・生徒の学校外での学習成果が学校の成績に反映されるように、文科省は学校教育法施行規則を今月中にも一部改正する。学習計画や内容が、学校の教育課程に照らして適切であるなどの要件が認められた場合、成績を考慮することを規定する。9日に開いた中央教育審議会の初等中等教育分科会に報告した。

 成績反映の要件には他に、

 ・保護者や学校外の機関との連携体制が取られていて、学校が学習状況を定期的に把握している
 ・学校が訪問による対面指導などで児童・生徒と適切に関わっている

 ―ことを挙げた。教育支援センターによるオンライン授業への参加や、フリースクールからの学習成果の報告書を成績に評価することなどを想定している。文科省は同様の要請を令和元年の通知でも示していたが、昨年3月にまとめた不登校対策の総合プランを踏まえて、改めて省令で明確にする。
 同省の調査によると不登校の児童・生徒(小・中学校)は令和4年度、過去最多の約30万人を記録したが、学校外の機関で相談や指導を受け、指導要録上出席扱いとされたのは3万2623人だった。」

【所属】
これまで、学校に行っていなくても、学校外の期間で相談や指導を受けていれば、出席扱いということで、「学校へは実際は行ってないけれど、これだけ登校できたということにしておくね」ということでした。

ちなみに、出席していようと、していまいと、義務教育では留年(原級留置)を強制されることはありません。(とりあえず、どんなでも進級と卒業はできる)。

たまに、病気などで入院して、それが長引いたので、もう一度〇年生で…というケースもあり、実際、私が中学生の時の担任の先生は、入院で留年した経験をもっていました。

では、特別支援学校ではどうでしょう?

これまで、週に2回のお休みをすると決めていたケース、学校に入れなくて学期に2日くらいの登校だったケース、入院が頻回だったケース、日常生活が不規則で昼前登校が常だったケースなど、出席に関して様々な事例を見てきました。これらについて、進級判定会議などの場が設けられ、「体調管理をしながら、学習できる環境を整えてきた」、「療養しながら、個に応じた発達が遂げられるよう過ごしてきた」みたいな理由で、みなさん進級または卒業をしていきました。

よく、「デイケアのように学校にずっといて、面倒をみてくれたらいいな」という保護者の方もいて、そんなことになったら、学校は留年と卒業拒否が頻発してしまうから、そこは運営上難しいです。

【成果】
記事では、学習計画や内容が、学校の教育課程に照らして、相応だったか確かめるということでしょう。また、学校(多くは担任)が状況を適宜把握するということでしょう。

学校から離れて、その子のペースまたは受け入れている場所のキャパに応じて学習または過ごす場が設定されている状況で、「ちゃんとやったか?」と学校が介入するのは、学校からの無遠慮なプレッシャーにならないか?と気になります。

フリースクールなどだと思いますが、そこでの学習で、どこまでやったから認めるといった基準は誰が確認し、認めるのでしょう?

子どもたちは、そこまでして学校に行って学んだという証明が欲しいのでしょうか?

学校に登校していないけれど、学籍はあるのだから、フリースクールなどにお任せにするな、というメッセージのようにもとれます。今の担任の先生は、学級に属する子どもを「個に応じる」だけでなく、多様な学びも管理する、ということでしょう。