担任の先生より

1043)特別支援学校 サッカーをします

「では、ハイグループの指導をお願いします」

体育の授業で、「じゅんびうんどう」を終えてから、前に出て話している先生からゴーサインがでました。これから、2つのグループに分かれてサッカーをします。

ハイグループのリーダーをすることは、事前に指導略案などを見て知っていたのですが、道具は何があるか、どんなものがあるかは詳細を知らない状況です。グループ内で何をするかは、指定されていません。つまり、時間配分、内容、順番などは「任せる」ということです。

任されると、不安になるでしょうか?
それとも、自分の思うままできるので面白いと思うでしょうか?

私は…不安なままやることはありますし、なんとかやってみようとチャレンジ精神がもてるときもあり、いろいろです。「これはうまくいった!」と思える授業をするのは年に数回ですし、「これはいけてなかった」と思うことも年に何度かあります。

目の前にいる授業はその時々で違いますし、子どもも年ごとに異なりますが、教員は時間の長さと機会の数が多いことで、色々な先生の、様々な教科の授業を観る機会がありますし、自分自身が前に立つ機会も何度もあります。指導方法、手順、見せ方、話し方、始め方、終わり方、準備の手順、児童生徒の整列の仕方など、やっていくうちに許容範囲でおさめるスキルが身に付きます。

【サッカーをします】
今回のサッカーのグループ別学習で、気を付けたことがいくつかあります。

ざっとですが、どこに並ぶか決める、何をするか一つずつ試行しながらすすめる、何をやって終わるか、でした。何をするか提示し、1人ずつやっていきます。

何せ、片足をあげることに不安がある子どもたちでしたから、みんな一斉に活動して、誰かがふらついて転倒したら、全体の活動がストップしてしまいます。また、誰か一人の実技に夢中になっているうちに、他の児童生徒が待ちぼうけになってしまうのも少なくしたいと思います。

少しの支援でできることを、欲張らずに、確実に行います。今回の授業で意図したことはボールに触れて慣れる、軸足を決めてボールを蹴ることができるか、シュートできるか、でした。

今回の授業はサッカーです。身体機能や身体の使い方が良くなるようにというのは、若干二の次で、ボールは手でもって投げるだけでなく、足で扱うこともある、テレビなどでやっているサッカーはこんなものだと体験的に知る、利き足だけでなく、反対の足も使えるか試してみる、友達がしている様子を見て学ぶ、など、子どもによって人生の糧になるであろうことを体験し、身につけられるか、授業を通して提案していくのです。