担任の先生より

1053)特別支援学校 体育嫌い

元AKB48の柏木由紀さんが、17日放送のニュース番組「ABEMA Prime」で「運動大嫌い」と主張し、「みんなの前で運動をやらされる抵抗感や羞恥心で体が硬くなってしまう」などと体育の授業について指摘する声があったそうです。

また、音楽クリエイターのヒャダインさんも月刊「体育科教育」の中で、運動が苦手な子は授業で恥をかかされ続ける、運動できない子が、できるようになることが善であるという前提がおかしい、体育とスポーツは似て非なるもので、体育がスポーツ嫌いを生み出している、といった文章を出されていました。

これについて作業療法士として、どんな意見をもつでしょうか?
苦手なところはさておき、できること、できる役割がもてるようにする
スポーツとは違う「運動の時間」として機能させられないか
運動のエッセンスを学ぶ機会にできないか
どうして、スポーツ競技にこだわってやらせるのか

などの意見や感想がでるのでは、と推察します。

【教員の立場から】
教員によって、教育観は違いますし、得意・不得意があります。教員たるもの…という意見もあるでしょうが、昨今の教員に求められるものは広すぎると思いますし、完璧さを求められすぎではないかと思います。それだけに、個々にばらつきができるのは仕方ないと思っています。

体育の授業について、柔軟な対応ができればいいと思いますし、個に応じたきめ細やかな指導が良いというのは、そうだと思います。では、以下のような状況で、どれだけのことができるでしょうか?

・学習指導要領で、球技、陸上競技…と様々なスポーツに触れることが明記されている。

・年間指導計画の中に各種スポーツが組み込まれ、学年ごとにバランスよく組み込まれている。

・他学年の体育を担当する教員と足並みをそろえることが求められる。

・体育倉庫にある物品に、オリジナルティのある種目設定ができるほどの種類がないと気付かされる。

・授業準備と片づけにそれほど時間がかけられない。

・変更の度合いが大きいと、校内外からクレームがでることが多い。

・様々な競技を行うことに意欲がある生徒もいて、吹きこぼしを作る可能性がある。

・授業担当は1人なので、グループに分けて指導することが困難、オリジナルならなおさら。

・授業準備以外の仕事も入っているなかで、単元計画をじっくり立てる時間がとれない。

・物品は予算化された中で補充するので、年度内に新たな取り組みをするからと買いそろえることが難しい。

私自身、体育の授業を担当したことが少ないですし、通常学校での経験はありませんので、ズレているところや、不足している情報もあるかもしれません。しかし、上記のような状況で、どこまでできるでしょうか?