学校種別にかかわらず、担任の先生は持ち上がったり、1年で交代したりします。 その理由は様々ですが、持ち上がりは何年がいいのでしょうか。 これについて、私は特別支援学校(知的)(肢体)しか経験がないので、その分野でという条件になります。
【持ち上がりは何年がいいか】
持ち上がり担任は何年がいいのか。
細かいところは後で説明するとして、私は「2年」だと思います。
1年目で児童生徒の実態を把握しながら学級運営の型をつくり、
2年目に1年目の基礎のうえに、これこそ!というテーマで取り組むという流れです。
では、3年目もいっちゃうかと言うと、積み上げのメリットはありますが、取り組む内容や質的に 2年目のものを越えられるかというと微妙なところです。 それなら2年で切り上げて、新しい出会いを受け入れる機会と、視点を変えた学習をする機会を保証したほうが、児童・生徒にとって将来に役立つ学びになるのではないか、というのが私の意見です。
【持ち上がり担任のメリット】
・(担任が)児童生徒の何ができて、何が難しいか分かり、次年度から何に取り組むか見通しがもてる。
・(担任が)次年度スタートから、想定される事故(転倒や骨折等)を考慮できる。
・(担任が)集団特性に応じた教室環境をつくった状態で、次年度スタートできる。
・(担任が)保護者のニードや教育観などを把握した状態で次年度スタートできる。
・(担任が)支援機関、医療機関の状態が分かった状態で次年度スタートできる。
・(児童生徒が)担任のことを分かっており、環境の変化に戸惑うことが少なくなる。
・(保護者が)昨年並みなら大丈夫かな、等と安心する部分がある。
【持ち上がり担任のデメリット】
・(担任が)変わらないと、多様な学習の機会が減る。
・(担任が)間違った指導方針をもっていると、未学習、誤学習が増える可能性がある。
・(担任が)児童生徒に慣れ過ぎて、学年相応の指導方針に切り替えられないことがある。
・(児童生徒が)違うタイプの大人との人間関係を構築する機会が減る。
・(保護者が)担任を信頼できていなかったら、次年度のスタートからガッカリする。
【環境の変化も左右する】
進級による人間関係だけがすべてではありません。特別支援学校は小学部から高等部まで、同じ校舎内にあることも珍しくないので、小6から中1、中3から高1などのように環境そのものが変わってしまうことがあります。そのような場合、担任の先生は異なる場所、異なる学部の文化(小学部だと日常生活、個別的な人間関係、など)の違いを把握しながら、どこまで前年度の雰囲気を残し、どこを変更しなければならないか判断しなければなりません。
【最後に】
持ち上がりのメリット、デメリットについて考えてみました。これらをふまえると、私は持ち上がりも含めて2年間で一区切りかなと思うのです。
小学部6年間、中学部3年間、高等部3年間という区切りと期間、どんな形で担任の先生がつなぎ、育てていくか、校内の指導体制の構築も含めて難しいところです。
http://magomago1.org/makingmovementintheschoollife202003/
前回のブログは、「69)特別支援学校(知的)での子どもの体の使い方(運動・体育)の指導について②」でした。
http://magomago1.org/whenateacherpraiseastudent202003/
次は、「71)特別支援学校では、子供は常に褒めればいいの?」です。状況を見て選ぶことが大事です。