学校の文化 担任の先生より

46)「子どもの可能性は無限」か。限界とほど良さを認めよう。

こんにちは、雑賀孫市です。
今日は、「子供の可能性は無限」に苦言を呈します。 さっき、中野信子さんの 「やればできる」という言葉は嘘です!
を聴いていて、「そうだよなぁ」と思えるところがいくつかあったので、御紹介します。

【これは、誰にでもできること?】
言われていたことは、以下の通りです。
やればできる、より、適性を見てやることが大事で、
①誰もがスーパーモデルになれる訳ではない。
②誰もがイチローのようにヒットが打てる訳ではない。
③誰もがウサインボルトのように速く走れる訳ではない。


①と②はちょっとグレー感が漂いますが、③は決定的。 シンプルなものほど、才能や適性が影響します。

【やることは、何でも尊いのか】
学校でもよく聞かれます。
「この子の可能性を否定するの?」
「だって、やりたいって言ってるじゃない!」
「子供の思いを否定して、人権無視よ!」

確かに、積み重ねによって、できること、身に付くことがあります。
レアケースでできるかもしれません。
しかし、その夢が実現できないと見えてきたとき、あなたはどんな言葉をかけますか?
①結果はともかく、やってみて自分が分かったよね。
②努力することで我慢強さや計画性が身に付いたのよ。
③目標をもって生きることは大事だよ、これからも夢を忘れずに。


・ずっと解けない割り算の計算問題を6年間やり続ける高等部の生徒。
・歩行練習を頑張ると、と股関節と膝がつぶれそうになりながら、身体を酷使する中学生。
・連合反応が顕著にでているが、自分でできることを目指して車椅子自走を続ける中学生。

どこまで、頑張ればいいのでしょうか。

【今、為すべきことはないですか】
それより、もっとできることはあったよねと思います。
夢がついえたとしても、その子の適性をいくつ見つけられたか。 将来へのお土産を持たせることができたか。 そこが大事です。

学校で指導できるのは教員だけ。 現行法ではそうなっていますが、それはとても重いことだ、と感じています。

https://magomago1.org/transferofspecialeducationschool/
前回のブログは、「45)異動が決まったとき、先生はどうするか」です。

https://magomago1.org/bathroominthespecialeducationschool202002/
次のブログは、「47)特別支援学校での定時排せつ」です。