こんにちは、雑賀孫市です。
今日は、特別支援学校(知的)で気づいた児童・生徒の体の使い方について書いてみます。
前置きですが、真新しさはないかもしれません。
【特に気づいた3つの特徴】
①背筋使いすぎ
②膝の屈曲、中間位が苦手
③上肢の中枢や体幹の弱さ
個人的に、これら3つが気になりました。 なぜだろう?と思い、生育歴を見てみると、体の状態の割に 「立って歩くの、早くない?」というのがあります。
この違和感は摂食指導の時に気になるお口の発達と、 食形態のギャップがあると思った時の感覚と似ています。 発達年齢と暦年齢の捉え方のズレなのか、 みんなができていることを同様に体験させてあげたいという思いなのか、 そこはよく分かりませんが、私がかかわった児童・生徒さんは中学生です。
過去に戻ることや動き方をリセットすることはできませんし、 これまでの療育や教育の是非を問いかけても仕方ないことです。
とにかく、今の状態を冷静にとらえて、課題を明確にして 少しでも安全に動けるよう、活動のバリエーションが増えるよう 支援するしかないと思い、支援してきました。
【①背筋使いすぎについて】
腹筋よりも背筋のほうが使いやすいですし、とにかく重力に負けずに 姿勢を保つには強く働く筋肉を使うほうが合理的です。 背筋を使うのは、後述する中枢(肩甲骨まわりやお腹周りの筋肉)の弱さも 関係していると思います。
背筋優位の姿勢保持や運動をすると、シンプルに体を固定するため 体幹の回旋がききにくくなります。そのため、左右の重心移動が苦手、 下を見ないことが多い、机上を見ることが苦手につながる、などにつながります。
このような傾向について、脳性麻痺の背中を強く使う児童・生徒への指導の考え方が 使えるかもしれないと思っています。
【運動指導の例】
・うつぶせ
仰向けは背筋優位を促し、うつぶせは腹筋など前面の筋肉優位になります。
そのため、うつぶせになるだけで背筋優位を軽減させることができます。
・ストレッチやマッサージ
体を丸くする、前傾姿勢、などは緊張して収縮する筋肉を一時的に伸ばすことができます。
もみほぐすことで、背中の筋肉の緊張を緩和させることができます。 ただ、もみほぐしなどはやりすぎると、体のイメージ(中心)を筋緊張でつかんでいたのに、それを壊してしまうことがあるので注意です。また、ゆるんだから楽になるのは一時的なもので、背筋以外の部位や、背筋に依存しない姿勢づくりや動きの学習が行われないと背筋依存を軽減させることはできません。
・腹筋運動(ブリッジ)
両手両ひざをつけて物を拾ったりするだけでも効果的です。
これは、「うつぶせ」で述べたことだけでなく、「ブリッジ」を利用することにもつながります。
ブリッジの姿勢をとると、内縁にあたる部分を使うので(めがね橋みたく)、胸や腹筋群などに 刺激を入れることができます。
http://magomago1.org/howtomakeyearsprogram202003/
前回のブログは、「66)元作業療法士の担任より 専門的な個別指導計画のつくりかた」でした。
http://magomago1.org/japaneseteacherjobmakingplan202003/
次は、「68)働き方改革!学校の先生が大変と言っている様々な書類、何を書いてるの?」です。