学校の文化 OT・PT・ST

13)作業療法士から特別支援学校教員へのススメ 年収格差も無視できないです

こんにちは雑賀孫市です。
今回は、現役の作業療法士さん、作業療法学生さん、等に 言いたかったことを書きます。
それは何かというと、作業療法士、としてではなく、 特別支援学校の教員として働きませんか?という話です。

最近、ツイッターやブログなどでリハビリテーション技士の副業、転職の話が 飛び交っていて、それぞれ魅力的な働き方を紹介していますが、 じゃあ、私からも一つ提案させてもらおうかな♪ということなんです。

似て異なるけれど

今の状況について確認したいと思います。

【作業療法士の現状】
日本作業療法士協会誌(2020年1月)より抜粋
2019年12月1日現在 有資格者数: 9万4255名
OT協会会員数:6万2081名
国家試験合格者数4531名
なんだか、私が資格をとったときより、えらく人数が増えている気がする…。
【特別支援教育の現状】
文部科学省の「平成29年5月1日、特別支援教育資料(平成29年度)」より抜粋
特別支援学校の数:1135校
特別支援学級の数:35719学級 となっています。

はっきりした数は分かりませんが、特別支援関連で外部ではなく 教職員として働いている作業療法士は全国に100人くらいだと思います。
また、そのうち担任の教員として働いているのは、その中でもかなり少ないと思われます。 (少なくとも、担任をしている人はこれまで2人しか見たことがありません。)

つまり、職域として考えたとき、かなりブルーオーシャンに近い所だと考えます。

すでに、支援員として、どう学校に入っていくか、作業療法士協会も積極的に動いているようです。 しかし、支援員は時給が高くても、現状では1年契約(更新)なので、仕事としてやっていくには ちょっと不安かなという気がしています。

理学療法協会は「内外専門家として…」と打ち出しています。
前向きに理学療法士を教員にすることを考えているようです。

【給料】
作業療法士の給料は、厚生労働省が出している「賃金構造基本統計調査の職種別賃金額」によると、 平成27年では月額27万4千円年間賞与その他特別給与額63万9900円となっています。

では、特別支援学校の教員はどうでしょう。同じ表の中に記載があったので見てみます。
特別支援学校の教員の給料は、高等学校の教員のものに準じているので、
月額41万9900円年間賞与その他特別給与額161万4200円となっています。

年額で200万円以上の差があることが分かりました。

【特別支援学校、職場としてどうなのか】
ざっくり言うと、「組織か、児童生徒か」という自己矛盾を多く感じるところです。
教育観も教員ごとに違います。専門の教科も違ったりします。
それでも作業療法士は環境に働きかけることができる職種でしたよね?
環境を知れば、仕事ができますよね?

【作業療法士と特別支援学校教員の関係】
宮本氏は(以下、抜粋) 「教育と医療の連携がうまくいかない要因として,医療側は「教育側の状況に対する理解不足」や「時間的余裕や機能の不足」を挙げ,教育側は「学習方法など教員が考えなければならないことを医療に求めたり,整理されていない要望が出されたりする」と言っています。
引用文献:宮本信也「教育と医療の連携、筑波大学附属大塚養護学校紀要 第46集;154―156、2002」

では、どうしたら状況は改善するのでしょう

工藤ら(2006)は、これからのPT・OTと教員の連携のあり方について、
①児童生徒の学校・家庭での様子をお互いに伝えあっている。
②児童生徒の心身の状態について理解しあっている。
③互いの役割を理解し合い、協力をもとに児童生徒への支援がなされていること。

の3点を挙げています。
引用文献:工藤ら:肢体不自由養護学校における理学療法士・作業療法士の役割「秋田大学医学部保健学科紀要14(2)、2006」

今はICFが主流になっているので、もう心身の状態と生活を切り分ける時代ではなくなっています。 学校における指導の根拠をどう言語化するか、生活のニーズをどう指導に盛り込むか、学校の環境をいかにローリスクで効果的なものにしていくか、という課題に対峙するには作業療法士の力が要るのかなという気がしています。

工藤らの主張はいまだに達成されていると思えませんし、医療の教育の文化の違いをうまく調和させるには、人的資源が不足していると思います。

仲介と運用バランス重視

【最後に】
作業療法士の専門性を学校で活かすには、発達領域にいることは必要!ではないと思います。 私も身障分野で仕事をして、その後に教員になったのですから、大事なことは実務経験ではないです。

大事なことは、対象者、集団、教員、学校という環境を「評価」することが必要だと知っていることです。

個人的な意見ですが、特別支援学校1校あたり、担任として現場での運用をサポートできる人と、いろいろな職種と学級をつなぐ人の2人がいたら、もっとうまく機能すると思っています。 つまり、1校あたり作業療法がわかる人を2人おいたら、ということです。

1000人オーバーの雇用になります。
収入はあがります。
生活を見るのが専門性なら、当然、学校生活を見るOTがいていいはずです。
何より、学校教育にかかわる人がほとんどいません。

ということで、行っちゃおうかな…という方は動いてみませんか?

https://magomago1.org/12differencetheschooltype/
前回のブログ、「12)知的障害特別支援学校と、肢体不自由特別支援学校の違い」です。

https://magomago1.org/14teachersholidayofficedifference/
次のブログ、「14)特別支援学校教員の年休(ねんきゅう)とは」です。事情があっても自分から休みをとりたいとは言いにくい方もいると思って書いてみました。

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