医師・介護・看護 担任の先生より

272)特別支援学校や介護現場 介助のとき言葉をかけるのには、大きなメリットがあります

【車椅子を押すシーン】
先日、「介護の英語」の時間に、介助者が車椅子を押すシーンが紹介されていました。

・車椅子に座っている人の足部がフットサポートのうえにのっているか
・両上肢がひじ掛け(アームサポート)の上に乗り、タイヤに巻き込まれたりしないか
・座位姿勢はくずれていないか

そういったことを確認した後、「これから、車椅子を前にすすめます。」と言葉をかけて進みます。

【基本を守る】
車椅子を押すシーンのように、移動や食事、入浴などの場面において、それぞれ、基本的な技術があります。

それらは初任者研修、実務者研修などで学習されますが、「あれに気をとられて、こっちを忘れ…。」
多くの方が経験していることだと思います(私もあります)。

また、「言葉かけ」も大事なことで、「車椅子介助の無言の発進」などは利用者さんを驚かせたり、思わぬ事故につながったりするため、しないように、繰り返し確認されるところです。

まわりを、みてね

言葉かけは利用者さんに見通しをもって頂き、心と身体の準備を促します。
他にも、利用者ができることはやって頂き機能低下を早めない、利用者の方の意志を尊重する、などの意味合いも込められているそうです。

【しかし、事故は起こってしまいます】

・後ろに下がったら、たまたま後ろにいた利用者さんがいてぶつかった。
・車椅子を押したら、足部がフットサポートにのっていなくて捻挫した。
・車椅子を押したら、車輪のカバーに指が巻き込まれた。

これらが起こるのは、すべてではないですが、無言で行動したり、イライラしたり、何かに追われて焦っていたりしたときではないでしょうか。

【見通しをもって気持ちを準備するのは介助者も同じ】
「私は段取りが分かっている、次々と仕事をすすめます」から、

「足元は大丈夫ですか~?」
「手は膝の上にお願いします」
「お部屋に戻るので、前に進みますね」、など言語化してみませんか?

〇〇、しますね

言語化するということは、行動を確認するだけでなく、言葉を選ぶ作業がはいります。
優しく、丁寧に、分かる表現について考えているうちに、安全に動く段取りができ、随時、言葉にして出すことで自分の気持ちが落ち着いていきます。

焦ったり、イライラしてしまったり、そんなときに自分を取り戻せることがあります。
私のように落ち着きのない方におすすめです。


https://magomago1.org/271howdoiusecoachingmethod202011/
前回は、「271)リハビリの臨床実習で活用するコーチング ~作業療法臨床実習の手引き(2018)~より」

https://magomago1.org/273schoolspowerhaslost202011/
次回は、「273)権威ある通過儀礼だった学校、なんでこんなに…。」ということで、変わりつつある学校を見ながら、昔を振り返ってみました。