学校の文化

389)特別支援学校 図画工作・美術で手を使う

図画工作(小学部)や美術(中学部・高等部)では、手を使うということで、作業療法士は親和性が高いところ、と思って臨んだものですが、最近、そこまで深く手の発達を加味していないと気づきました。

たとえば、あまり物を持ち続けない、掴む・離すなどが多い…という児童生徒の授業を担当することになったら、どうしますか?

【どんな作品をつくるか】
最近は、「~をしよう」、「~がしたい」を先にもってくることが多いです。

年度始めは児童生徒の興味・関心、意欲がでるものを選びます。
次に、どんな工程で作り上げるか考えます。

あまりに壮大で、長期にわたるものを考えると、ゴールまでの見通しがもちにくくなります。そのために指示待ちの教員と児童生徒を作ることになり、個々の創意工夫や個性を発揮する機会を奪ってしまうことがあります。

【手の発達を促す?】
よく、この子の手の発達を促すために、この指の使い方を練習するといいですよと言われます。

しかし、特定の子どもの発達のために全体の子どもがひきずられるのは好ましくないと思いますし、その子の持っている能力のギリギリを狙ってくるので、時間がかかりがちなこと、支援する教員が活動の目的を把握していないと、何のための授業か分からなってしまうことから、攻めの授業はかなり学習集団の特性を把握した段階でないと導入しにくいです。

【分かるための根回し】
分かる工程を提示するには、順番を示す、音声言語だけでなくカードなどの視覚教材を併用する、取り組んで欲しいポイントを決め、授業時にアナウンスする、などが有効です。

また、授業の導入時に何について意識して取り組んで欲しいかを伝えておくと、他の教職員は児童生徒と一緒に楽しんで作品を作るだけでなく、指導のポイントを意識しながら取り組んでくれるようになります。

【授業準備】
いろいろな物品を準備しますが、授業の流れを順番に思い描き、場面ごとに必要なものをリストアップしていきます。そうして、できれば実際にやってみることが大事です。すでに経験した活動であればいいのですが、初めてやる内容だと大事な物がもれていたり、思ったような出来栄えにならなかったりします。リハーサルによって授業のリスクに気づき、失敗を未然に防ぐことができます。