学校の文化 OT・PT・ST

397)特別支援学校で臨床(臨地)実習指導を行うとき

理学療法士や作業療法士になろうとするとき、養成校から出て、臨床実習(臨地実習)を受ける必要があります。コロナウィルスの拡大が懸念されているときは、校内で実習をしたりして卒業したそうですが、臨床の現場につかることなく採用されるケースもあり、採用する方も、受け入れる方も戸惑いや不安があったのではと推察されます。

作業療法士は厚生労働省が出す国家資格です。
卒後の進路として病院などの医療施設が多かったのですが、近年様々な分野に進出してきており、臨床実習も様々な場所で行われるようになりました。

特別支援学校もその1つです。

当然、実習指導者は理学療法士や作業療法士の免許をもっていて、かつ臨床実習指導者の研修を受けていることが必要になります。今のように、実習を受ける側のハードルが高くない頃、実習指導をしたことがあります。

【特別支援学校で臨床実習をする】
当時はまだ、今のように担任をしていなかったので、学生さんにはつかみどころのない実習をさせてしまったと反省しています。かといって、今やり直せたとしても、生活の場として一日の流れを追う醍醐味は味わうことができないので、結果は同じだったかもしれません。

コメディカルの実習を行うにあたり、懸念していたことは以下のようなものがあります。

①学校の校長などの管理職の理解

②医学的な根拠に乏しい

③事故時の対応

④学校生活全体をみることで、はじめて意味があるといえるのでは

⑤指導の方針は担任が決めるものだが、どうするか

⑥医療用語や専門用語が日常的に使われない場でどうコミュニケーションをとるか

⑦専門家でも、教育実習生でもないので、リハの学生の立ち位置をどうするか

⑧保護者の理解が得られなかったとき、どうするか

【特別支援学校で実習をする意義、利点】
登校してから下校するまでの一日の流れをデザインすること、45分や50分1コマという時間割のなかでテーマを決めて取り組むことを並行して学ぶことができる。

個別と集団の場面があり、同じ児童生徒をそれぞれの場所でいかに過ごすか考えることができる。

教員という医療職ではない支援者と継続的に対話、連携することが学べる。

特別支援教育に参画するリハビリテーション技士の育成に寄与する(種まき)。

実習指導者も、日々行っていることの意味を考える機会を得ることができる。