担任の先生より

427)特別支援学校 頭数が合えばいいってもんじゃないです

学校の先生のことを「教員」っていうんですけど、員って、人員などの「数」を指す言葉ですよね。
教員の学級ごとの数って、時代が変わっても変わらず、教育的ニーズが無限大に増えようとも変わらないと思われるもの。

では、「分かった!毎日、教職員の頭数だけ、子どもの数と合わせてやろう!」と言ったらどうでしょう。

数だけで考えれば、「それはいい」ということになるのですが、今回、それではダメだよという案件が出たので報告させて頂きます。

【概要】
彼は3人の男子生徒が在籍する学級担任
担任は1名、学年付きの先生が1名、あとは必要に応じて他学年に応援の教員を要請する、という形でした。

子どもはいずれも身体が重く、担任は常時いなければならず、学年付きの先生はその学級にばかりいる訳にはいかないので、出たり入ったりを繰り返していました。

そこで、応援の教員要請が状態化していたのですが、くるのは女性の教職員ばかり

そう、特別支援学校には男性教員の割合が少なく、女性が多いのです。
そうして、在籍する児童生徒の割合は男子のほうが多いのです。

【選択肢】
応援の教職員(女性)に、男子児童の支援をどこまで依頼できるか?

・応援の教職員に、ここをこうして…と側について説明できるか?
他の子どもをどうする?という問題がある。

・応援の教職員に、同性介助でないけれど、大丈夫か?

・応援の教職員に、体力的に厳しいけれど介助を依頼できるか?(事故ると責任は自分)

・応援の教職員はレギュラーでなく日替わりで、説明したことは忘れられるかもしれない。

【担任の先生が出した結論】
安全に、適切に子どもを支援する体制はできないようだ。
応援の人も、いきなり来てリスクを背負わされるのは嫌だろう。見守りだけでもしてもらおう。

こうして、子どもへの直接的な支援は軽減せず、応援の教職員に無難にできること、見守り時の説明をするという負担が増すことになりました。

適宜、頭数だけ揃えればいい、ということではありません。

余談ですが、ここにきて、「待っている間にこの学習をすると、この子にはいいよ。応援の先生もいるんだから、やってもらったら?」などと言ってくる人がいたらどうしましょう?

担任の先生のガマンは、限界を越えてしまうかもしれませんね。


https://magomago1.org/426manytrymakehimbetter202106/
前回は「426)特別支援学校 苦労して得た知識・技能は糧になる」でした。