学校の文化 担任の先生より

428)特別支援学校 指導の安定が図れないとき

先回は、教職員の頭数だけでなく、実態に応じた指導ができるチームをつくることが大事だ、という話をしました。しかし、実際は教員の配置には限界があり、教育的ニーズの高まりの割に人材が揃わないことが悩みの種です。

学年内の指導体制が落ち着かないことについて、いくつか理由があります。

①教員と児童生徒の人数比率が悪い。
②個別に対応しなければならない児童生徒の割合が多い。
③教員集団の経験年数や力量が学年の経営をするうえで十分でない。
④集団の指導より、個別対応したがる教員がいる、またはそのような教員が多い。
⑤教員集団の教育観がバラバラで、抑圧や対立する関係にある。
⑥特定の教育メソッドに偏る傾向があり、柔軟に指導形態を選ぶことができない。
⑦教員集団をまとめる存在がいないため、烏合の衆になっている。
⑧病休または休職する教員がでる、または続出する。
⑨遊出、他害など環境適応しきれない子どもがいて、その対応に追われる。

現場を見てきて、ざっとこれくらい挙がりました。
考え始めると、まだありそうですが、このへんで。

【どうするか】
教員数や経験年数、リーダー不在ならば、教員の入れかえや応援による補充をしながら、調整すればクリアできることがあります。しかし、教育観の不一致や無理解は教員同士の価値観を尊重し、協力しあうことで多少改善できるところかなと思います。

限られた条件のなかで、すぐにできることは、日々一緒に過ごす教員または子どもの組み合わせをつくる、または組みかえることではと思います。組みかえができないほど母集団が小さいときは、他のグループを抱き込むことも検討していいと思います。まずは賛同できる人を見つけて、少しずつやりやすいほうに向けていくことが大事だと思います。

小さくてもチームを作ることで、教員同士の意見交換をする場ができあがります。
また、複数で対応するので、指導中に教員がお手洗いに行くこともできるかもしれません。
複数の目で見ることで、これまでと違った発見(気づき)や指導方法が浮かんでくるかもしれません。

何か共感しあう、共有できるものがある人と協力することで、できることが増えたり、円滑に仕事を片づけたりすることにつながることがあります。(しかし、これも限界はあります)


https://magomago1.org/427oneononeisnotalwaysgood202106/
前回は、「427)特別支援学校 頭数が合えばいいってもんじゃないです」でした。