学校の文化 担任の先生より

438)特別支援学校 サブティーチャーの暴走

集団の授業では、メインティーチャー(MT)と、サブティーチャー(ST)がいます。

いつも同じメンバーで授業していると、この先生はどんな雰囲気の授業を好むか分かってきます。

自分のほうに注目させ、じっくりと展開する先生

説明するときは自分に注意を向け、それを受けて子どもが考えるときはSTも話していいという先生

役割分担を事前からはっきりさせ、その通りしないと気が済まない先生

などなどです。

【今日の授業】
今日のMTはまだ若手で、いろいろ話すけれどもアドリブに弱いので、時折相槌をうつ程度で良い感じでした。

ところが、今日入っていたSTは、そのことをあまり把握していなくて、子ども目線で「~だったかなぁ」、「それ、〇〇だよ!」と声に出してしまうので、MTが発問から話を展開していくパターンが全く通用せず。

MTの顔がヒクヒクと歪んでいくのが分かりました。

例えて言うなら、漫才をしている芸人が、客席からネタを先に言われて焦るのと同じです。

「はい、そこ、お口にチャックやで。」
「それ、先にゆうたら、アカんやん。」
「先にネタ言われたら、今日のギャラ、山分けせないかんから、黙っといて。」
慣れてくると、このようにサラッと制するのですが…。

授業をするときは、慣れてくると
①この時間に伝えるべき内容はこれ、と決めている。
②この教え方がうまくいかなかったら、次の手にいけるよう心づもりをしておく(または割愛する)。
③STと児童生徒の顔を見ながら進め方を変える(本筋は壊さない)。
④授業の7割は決めておくが、あとは流れに任せる。

のようにしています。

なぜなら、ガチガチに準備すると、動くと思っていた道具が突然壊れた、あてにしていた教員や児童生徒が不在になってしまった、などのイレギュラーな展開に対応できなくなるからです。ベテランの先生の授業がダルダルな雰囲気でも立派に成立するのは、このへんの出来不出来なのかなと思います。

【授業後】
その授業のMTが不在で、ST同士で喋っているとき

「〇〇先生、ガンガン突っ込むから、MTが焦っとったよ。ちょっと前のめり過ぎました?」と振ってみると、「いや、なんだか子どもの気持ちになりすぎて、盛り上がってしまいました。」と。

「あのMT、アドリブ弱いから、あんまり参加し過ぎるとパニくるから駄目ですよー。」と釘をさしておきました。

こうして、日々のチームワークと授業改善が行われていくのです。


https://magomago1.org/437makinglearningteamisnotsosimple202107/
前回は「437)特別支援学校 能力別グループ編成、パズルやん」でした。