学校の文化 担任の先生より

478)特別支援学校 教員指導体制、頭数だけ揃えばOK?

特別支援学校でよく聞かれる、指導体制に関する言葉。

「体制が厳しい」
「マンツーじゃない」
「大変だ」

何が厳しいんだ?
マンツーマンにならないと指導できないのか?
何が大変なんだ、指導力をあげろ、協力体制をとって工夫しろ。

と言いたくなります。
いや、普段よく使っているんですが、客観的に見ると、ツッコミどころ満載の台詞ですね(汗)。

大切なことは、担任からの意見をもぐらたたきのように封じていくのではなく、できることを選ぶ、工夫してもこれ以上できないことがある、というのを担任から管理職レベルまで合意して、その中でできることをするしかないんじゃないですか?と思います。

校内支援が期待できなければ、成果はともかく時間をかけて丁寧に、という活動をどんどん切っています。
でないと、学級に在籍している児童生徒に手が行きわたりませんし、授業などに間に合わなくなります。

【できるの持久力】
少ない人数だろうと、子ども1人ひとりにかける支援の量が多くても、その日頑張れと言われれば、なんとかできるかもしれません。しかし、それが半年、一年と続くとなると話が違ってきます。日々疲労はたまる、事故や腰痛などのトラブルが起こりやすくなります。

例えれば、1500m走のペースで5000mを走ってみろ、という感じでしょうか。

継続できる指導体制を構築するにはどうするか、その場できればいいではなく、持続できることも含めて考えないと、特定の学年の教職員を疲弊させることになります。

【頭数だけでない、効力ある支援を】
教員の体制を考える時、子どもと教職員の人数比、教科、男女などが考えられます。

が、最近気づいたことは、頭数を合わせれば良しではなく、機能する人員をあてていかないといけないな、ということです。

例えば、学部や学年にかかわらず、女子に男性の先生をつけることは排せつ介助や身体接触があるのでよろしくないとされています。また、第二次性徴にかかってくる男子になってくると身体の大きさも含めて女性の教職員がつくことはよろしくないとされています。

女子への配慮はセクハラやわいせつ等にならぬよう配慮されますが、大きくなった男子への配慮はグレーだと感じています。男子に対する介助は動きの質や量、重さなどを考えると、安易に普段みていない女性の教職員に任せられないことがあり、支援する大人の頭数は揃っていても協働できない体制になることがあります。

全体的に特別支援学校に在籍する児童生徒は男子が多く、教職員は女性が多い傾向があるので、性別に関する配慮には限界があるでしょう。しかし、そこを配慮しないと、ある学年は教職員への負荷が高くて馬車馬のように動いている、ある学年はゆるくて教職員が多くてのんびりしている、ということが多発します。それは、色々な意味で好ましい状態でないといえます。



https://magomago1.org/477isthevoiceyoucantakearestangelordevil202109/
前回は「477)特別支援学校 教員への「休んでいいよ」は天使の声か、悪魔の声か」でした。