担任の先生より

520)特別支援学校 教育実習2日目 登下校と1日過ごすということ

朝の打ち合わせのあと、児童生徒が乗るバスまで行き、教員と一緒に登校の支援にあたります。
シートベルトを外し、どうやってバスから降車するか見学します。

【バスなどの階段】
階段を下りるなら、前向きか後ろ向きか、手すりはどれを使うか、一段ずつ足を揃えるか、下方への注意と完全管理がどれだけできるか観察します。

荷物は教員が持つか、児童生徒が自分で持つかも大事です。

何でも自分のものは自分でもつ、ということを決定づけるのも一つですが、教員がもつならどう持つでしょうか?両手でもてば、児童生徒に対して「私は手を貸しません、自分で成し遂げよう」のアピールになります。片手をあけるなら、手をつなぐか、方向づけの支援はするけれど、ガッツリ支えるなどはしないと決めたことになります。背中に背負うなら、荷物はその後の児童生徒の行動と、教員の介助には邪魔(?)なものとして位置付けることになります。

最近、気になってやってみたのは、使えるものは何でも使う、支えになる手すりなどをフルにつかったら、監視レベル(見守り)でバスの乗り降りができるんじゃないか?ということです。もともと、大人に頼ることが当たり前、手を出して見せればなんとかしてくれる、というところから、身近な手すりをつかませて、少しずつ前に進み、階段も後ろ向きになっておりて、示された先にある車椅子に腰掛ける、までを何か月かかけて「自分でする」ように指導しました。

色々考えながら指導をすすめましたが、結局、手順を決めて成功するパターンを獲得する構造化なんだなと思います。そこに至る過程と、できるようになってから繰り返すなかで得られる児童生徒自身の気づきが学びを深めると思います。バスの乗降によって「手すりは不安定になりがちな自分を落ち着かせるもの」として、教員が口頭や誘導で教えなくてもスロープや階段でも自分で手すりを使うようになりました。

【二日目】
実習生に話したこと、その一つに「子どもも大人も、ハイペースで一日を過ごすことは難しい」ということを伝えました。時間割があり、6コマなら6コマすべてに指導計画に基づく目標があるのですが、毎時間勝負できるか?ということです。

担任は児童生徒との日々のかかわりのなかで、学習についてどれだけ持続するか、何を受け入れて、何がダメか、などの情報を蓄積することができます。これによって、1日のなかでどれくらいの高さのバイオリズムで学習をすすめればいいか分かってくると思います。

1日1つ頑張ったら良し、という子もいれば、毎時間1つだけできたら良し、という子もいるでしょう。

大事なことは、何を積み上げたか、どこを頑張ったかで、たまたまバイオリズムの低いところを指摘して、「もっとできるだろ」、「なまけている」、「やることはあるだろう」と言うのは、人の生活のなかにある波やピーキングを軽視した意見じゃないかなと思うのです。