学校の文化 担任の先生より

524)特別支援学校 教育実習6日目 どんなことを任せていくか

教育実習が始まって6日目、実習開始が月曜日だったとしたら、二週目に入るということです。

一週目を振り返ると
学校の環境を知る(通うことも含めて)
子どもと身近な教員を知る
課題(書類)を作成する
補助的な役割を通じて、教員の仕事にふれる
お客様でない立場で、小さな社会に参加する

一週間で、かなり密度の濃い時間を過ごしているなぁ…と思います。

しかし、いつまでも足場を固めている時間はありません。仮であっても、時短であっても1人の教員で立つ経験を積むことがミッションなのです。
あとすることは、1人で児童の支援をする、1人で集団の指導をする、です。

【指導する教員の立場から】
学生さんを受け入れて指導した教員の話って、あまり聞かないなと思います。これはおそらく実習指導は何を、どうするといったマニュアルがなく、指導する教員の裁量に任されるものであること、指導する教員にとって実習指導は多くの仕事の1つで、通り過ぎる仕事(?)だからではと思います。

よくあるのが朝の会のメインティーチャー(この場合、司会)です。
すでに何度か教員がやっている様子を見ていますし、他の教職員もいるので、はじめの一歩として採用されやすい場になります。児童生徒の前に出て、順番通りに進めていくことができれば、まずは良しとなります。

その他、授業中に見本を見せる役割を担う、言われた通りに個別課題を進める、などがあります。このような場面で、どれくらいできるか指導する教員は見ています。それを見て、どの時間を担当させてみるか、研究授業はいつにするか決めることになります。(その他の判断基準をもっている先生もいると思うので、これがすべてではないと思います。)

【強さと弱さ】
どのように教育実習生に学校教育現場を体験し、意図して伝えることを経験させるか。場を準備する前に、その学生さんの持っているもの、強さ、弱さを把握することも重要だと思っています。教員はオールマイティな仕事なので、とにかく全部やってみようというのも手ですが、今後教員になるか否かは別にして、足掛かりになる成功体験を1つ積ませたいところです。

丁寧に物事をすすめることが得意そうなら、朝の会の流れと意味を伝えて、それを確かめながらMTをする。明るく自己表現が得意そうなら音楽の授業や生活単元(ゲーム)をさせてみてもいいと思います。

以前は「教育実習という場を準備してもらったのだから、教員になると宣言できない人は受けない」と言われることがありました。しかし、私は教育実習を受けながら、当時高倍率だった教員採用試験を避けました。教育は学校教育だけではありません。いかに学ぶか、どう考えて伝えるか、それらの営みは教育分野以外でも有効だと思います。なので、教育実習という機会を与えて、学ぶという営みにどっぷり漬かって考えてもらう、それ以降のキャリアは教育実習生自身で考える、これでいいんじゃないかなと思うのです。