学校の文化 担任の先生より

40)特別支援学校の先生と生徒の割合って、気になりませんか?

こんにちは、雑賀孫市です。
今日は、特別支援学校の先生と生徒の比率について書いてみたいと思います。

【1学級あたり、何人?】
教員の定数って、標準法で決まっていて、例えば中学校だと1学級40人で 1人の担任の先生がついていますよね。あんな感じです (地域によって基準が行る場合があります)。

では、ある年119名の新入生がいたとしたら、 1組:40人、2組40人、3組39人、くらいになります

もし、41人だったとしたら、1学級ごと40人を超えてはいけないので、 1組:20人、2組21人などにします。

ちょっとの違いで大きな違い、担任の先生の仕事量に大きく影響します。 なので、年度の終わりごろ、学校の先生は来年度、新入生は何人かなぁ、 何学級できるのかなぁ?と結構気にしていたりします。

【特別支援学校では】
重複学級では、教員1人に生徒3人 知的などの普通学級では教員1人に生徒6人 自閉症学級などあれば、教員1人に生徒4人 などの配分になります。

△と☆が先生、〇が生徒

これについて、
重複学級は個別対応が多いので、複数対応しないと安全確保と指導が両立しない。
普通学級は、生徒同士で協力させたり、競わせたりすれば何とかなるよ。
自閉症学級は、教室を構造化して、きちんと流れをつくれば何とかなるよ。

などの意見がありますが、個別対応に迫られたとき、余力がないので不安だなぁ…
というのが正直なところでしょう。

【生徒の実態の違いって重要】
教員定数を決める標準法は全国一律で、あとは都道府県の裁量によって多少の違いがあります。 そうして、重度重複学級は生徒の実態も見ていないのに、学年に1つ、すでに新入生の人数から、学級編成が決まっていることがあります。

A学校では新入生が12人いたとして、必要とする支援の質・量を%換算してみたら
1:70%、2:70%、3:85%
4:60%、5:75%、6:65%
7:65%、8:40%、9:45%
10:55%、11:65%、12:65% でした。

生徒の実態、障害特性、保護者の意向などを加味して、 1~3を重度重複学級 4~9を普通学級 10~12を自閉症学級 としました。

B学校では新入生が12人いたとして、必要とする支援の質・量を%換算してみたら
1:60%、2:60%、3:75%
4:50%、5:65%、6:55%
7:55%、8:30%、9:35%
10:45%、11:55%、12:55% でした。

生徒の実態、障害特性、保護者の意向などを加味して、 1~3を重度重複学級 4~9を普通学級 10~12を自閉症学級 としました。

つまり、A学校で普通学級の生徒も、B学校に行っていたら重度重複学級だったかもしれません。 そうして、A学校の教員になったほうが、個別対応を必要とする状況が多く、それだけ他の生徒がフリーになる時間が多くなることが想定されます。

【教員集団はどうか】
では、A学校のほうが、指導が難しいのか?という話ですが、教員集団によっても うまく機能する場合と、そうでない場合があります。
教員集団を評価するうえで、いくつかの観点があるので、列挙してみます。
①経験年数
②経験した校種(知的・肢体・通常学校、訪問、等)
③性別(同性介助を考えたとき、かなり影響する)
④学年持ち上がりか、そうでないか
⑤初任の先生、異動してきた先生
⑥教科の違い
⑦社交的か、そうでないか
⑧人数(マンパワー)  などです。

【まとめ】
学年や学級の経営を考えるうえで、生徒のニーズも大事ですが、 生徒の実態の差や学級を構成する生徒の状況、教員集団の実態も アウトプットを考えるうえで非常に重要です。 また、担任の先生は、大人と生徒の集団の中で、どのように立ち回るか 考えられることが大事なのです。

https://magomago1.org/39tellyouaboutschoolconsultation/
前回のブログは「39)特別支援学校教員への専門家のコンサルテーションについて考える」でした。

https://magomago1.org/classschoollife202002/
次のブログは、「41)特別支援学校で行われる授業 「生活単元学習」」です。
なかなか、何を課題として挙げるのか難しい授業です。