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80)担任の先生(元作業療法士)がつくる、特別支援学校の授業~こんにちは~

こんにちは、雑賀孫市です。
今日は、前に御紹介したパネルシアターの授業の続き(最終)になります。 実際に特別支援学校の授業でやったことと、そこで使った教材について書いています。
先回アップした、「今日の授業の流れ」です。

写真1:授業の流れ

【こんにちは】
「こんにちは」、は2枚から4枚くらいのカードを列挙して、その中から好きなものを選んだり、 問いかけられたことに、指差しで答えていくという活動です。 物の名前あてゲームが主になります。

写真2:なにがでるかな

【こんにちは、の進め方】
①教員が「こんにちは」のカードを1枚ずつ指さして、注意を促す。
②「こんにちは~」と言いながら、1枚ずつめくっていく。
③「では、〇〇さん、ラーメン、どーれだ?」、「つるつる食べるのは、どーれだ?」  
「〇〇くんは、どーれだ?」などと聞いていきます。

【こんにちは の作り方】
材料:印刷したイラスト、厚紙、カードをまとめるリング(大きめ)8個、 つっぱり棒(50cm~70cm)、のり、ブッカー(透明なシール状のシート)    

①WORDのA4サイズに、4枚の絵や写真を貼り付け、カラー印刷する。
②厚紙をたて15cm、よこ11cmの長方形にして、カットする。
③厚紙をカットしたものに、穴あけパンチでよこの方に穴を空ける

写真3:たて15cm、よこ11cm

④穴を空けた厚紙の中央に、①で印刷した絵や写真をきって、のりで貼る。
⑤のりで貼った絵の上から、ブッカーで絵がはがれないように巻いて固定させる。
⑥見比べたいカードのセットを4枚横に並べ、次の4枚セットをその上にのせていく。
⑦山ができたら、リング(大)でカードをまとめてとめる。
⑧つっぱり棒に通す

写真4:男の子のトイレ、どーれだ?

【使いやすいカードの種類(例)】
・教員や友達の顔写真(個人情報に注意ですが)
・身近なたべもの ・乗り物いろいろ
・食べる、走るなどのカード
・無地の色カード(色あて)
・コンビニやレストランのシンボルマーク
・身近な道具(時計、机、など)
・喜怒哀楽の顔イラスト
・芸能人の顔
・アニメや特撮キャラクター

【こんにちは、で学べること】
・棒に通したカードなので、児童・生徒ごとにカードとの距離を変えることができる。
・「いないいないばあ」のように、期待して待つ、見るができる。
・「指さし」、「口頭で伝える」などの伝達手段が選択できる。
・物の名前が分かる。 ・優先順位をつけたり、選択したりする力がつく(自己決定)。
・カードの種類によって、日常生活のなかで復習や予習できる。
・カード1枚から会話をふくらませることができる。

【留意点】
・簡単な発問に応じるので、言語理解が十分でないと難しい活動になります。
・あまり会話を長引かせない。
・一人の児童生徒に寄りすぎると、他の子がカードを見られなくなるので距離に注意する。
・複数の意味が考えられるものは避ける。
 
カードを示すとき、教員が名前を言ってしまうか、「遠足の時にみたねー」などと想起を促すのか、自分で考えられるよう無言で指さすのか、授業のなかで、いろいろやってみましょう。

http://magomago1.org/griparmfeelpain202003/
前回のブログは、「79)担任の先生(元作業療法士)がつくる、特別支援学校の授業~手を放す支援の方法~」でした。

http://magomago1.org/howtomakesmartphone202003/
次は、「81)担任の先生(元作業療法士)がつくる、特別支援学校の授業~スマホをつくろう~」です。