特別支援学校が地域連携や他職種連携をすることによって、専門性を活用してよりよい指導を実現する、教員の資質・能力の向上を目指すことになっています。
学校運営に寄与する専門家の仕事とは、どんなものかと長年考えてきましたが、校内で起こっていることから、専門家を活用する学校はどうなんだ?と思うことがありました。
【権威】
専門家に文句を言いつつ
①やっていることが妥当か、どこまでやっていいか判断がつきかねる
②児童生徒にとって難しいことだが、前年度の教員から継続してと言われている
③児童生徒にとって難しいことだが、保護者からやってくれと言われている
④手続きをするとき、医師等の同意や確認が行われた、という証明書が欲しい
のように、「妥当な指導であると主張するための裏付け」、「指導を推進するためと抑止するため」、「手続きの客観性をもたせる」ことが必要な場面があり、まさに白衣の権威が学校を支えている、といえるのではないか、と思っています。
理学療法士や作業療法士などは、医師の指示を受けて行われることが前提になっており、必要な場合は他科受診等でレントゲンを撮ったり、血液検査を行ったり、いわゆる評価(アセスメント)を行うことで、何をどこまで行うか確認する手続きをふむことができます、学校では、何かするたびに検査してとは言えません。
「こうなったらいいな」、「こうしたい」がニードや目標につながり、どうやったら実行(実現)できるか、できないとは言わず、やるだけやって返答しましょう、と行動に移してしまうことが多いです。
これに対して、指導体制を無理矢理組んで、事故やアクシデントに対応できるようにと取り組んだとして、なんとか実行できたとします。成果の有無や見込みはさておき、実行できたということで、「工夫してやればできるじゃないか」、「是非、期待に応えられるように」みたいなことになり、止められなくなるケースもあります。
やはり線引きのために、専門家は必要です。
【うまく専門家に仕事をしてもらうために】
専門家の権威は、求められる場合と、求められていない場合があり、それをどのように判断するかなんて、学校外からきた人に分かるはずがありません。
良かれと思って伝えたことが、「余計なことを言って保護者の機嫌を損ね、後で担任が苦労した」、などと不満の声があがることもありました。専門家としての白衣は要るのか、要らないのか、何をして欲しいのか、そのあたりを明確にせず、お口を開けて美味しいものを入れてくれというのは都合が良すぎないか?と思うこともありました。
だから、専門家と担任の先生の間に入って、円滑に情報交換ができるように根回しすることもありましたが、教員にも、専門家にも、自分の都合や価値観にこだわらず、「対話」する経験も積んでもらいたいと思います。
学校や、学校の教員には、「どうやったら、同じ土俵で話せるか」、「どうありたいか」、「どんなことを必要としているか」を明らかにして、互いに実りあるものにして欲しいと思います。